受理番号・件名 | 請39 三重県独自のさらなる学級編制基準の改善と教職員配置を含む教育環境の整備により、すべての子どもたちが大切にされる安心・安全の三重の教育の実現を求めることについて |
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受理年月日 | 令和3年10月6日 |
提出された 定例会 |
令和3年定例会9月定例月会議 |
紹介議員 | 川口 円、中瀬古 初美、小島 智子、山本 里香、稲森 稔尚、藤田 宜三 |
付託委員会 | 教育警察常任委員会 |
請願要旨 |
(趣 旨) 学校現場においては、日々、新型コロナウイルス感染防止対策に取り組んでいるが、新たな負担が生じるなか、不安を抱えながら、教育活動をおこなっている。さらには、「教育のICT化」、「『個別・最適な学び』の創造」など、様々な教育改革がすすめられようとしている。国ならびに県が推進する施策を円滑にすすめ、すべての子どもたちが大切にされる安心・安全の三重の教育を実現させるため、さらなる学級編制基準の改善とそれを実現するための教職員定数の確保を含む教育環境の整備を求める。 (理 由) 4月から「改正義務標準法」が施行され、40年ぶりに小学校全学年の学級編制の標準が改善されることになった。三重県においては、国が年次進行とした学級編制の標準を1年先行するかたちで、今年度は小学3年生の35人学級も実現した。しかし、中学校、高等学校については法改正がなされず、県立高等学校の募集定員はごく一部を除いて一学級40人のままである。文科大臣も国会答弁や会見等で30人学級をめざしていたと何度も言っているが、35人でも依然「密」であり、過密状態で授業がおこなわれている例が少なくない。8m×8mという教室の面積が変わらないなかで、「ソーシャルディスタンス」を保ちながら、子どもたちの安心・安全を確保し、児童生徒の活動を保障することは難しく、また、給食の実施をはじめ、「密」を避けられない状況は現在も多くの学校で続いている。すべての学校において学習環境の抜本的改善がなされなれば、今後新たな事態が生じたときに再び同様の状況に陥ることは明白である。 また、国の示す教育施策「GIGAスクール構想」の前倒し実施により「教育のICT化」が急速にすすめられ、一人1台学習端末環境の実現をめざすなど、「『個別・最適な学び』の創造」にむけた様々な改革が学校現場に求められている。しかし、本県の県立学校においては、2022年度以降の入学生から保護者負担(BYOD)による学習端末の購入が基本とされており、社会的経済格差が拡大するなか、家庭にとって大きな経済的負担となることが予見される。さらに、学校現場に専門的技能をもつ教職員は十分に配置されておらず、円滑な対応がなされるのか危惧されるところである。より実効ある施策とするためにも、家庭でのICT環境を含めた教育環境・諸条件の整備および保護者負担の軽減をはかることは不可欠である。 学級編制基準と教職員配置の状況が、こうした教育環境の整備とともに変わらなければ、子どもたちの安心・安全を確保しながら、新たな教育改革への対応と「個別・最適な学び」の創造を両立した「授業」をすすめていくことは不可能である。これらを実現させるためには、中学校・高等学校も含めたさらなる学級規模の少人数化が必須であると考える。 三重県教育ビジョンには、「教育は、子どもたちをはじめとする『学ぶ人』のためのもの」と崇高な理念が明記されている。誰一人取り残されることなく、すべての子どもたちが大切にされる安心・安全の三重の教育を実現させるため、すべての校種において、三重県独自に、さらなる学級編制基準の改善をおこなうとともに、それを実現するための教職員定数の確保を含む教育環境の整備を強く求める。 |