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緊急浚渫推進事業債の延長を求める意見書
地方公共団体は、台風、集中豪雨等への備えとして、管理河川の越水、堤防の決壊等を防止するための堆積土砂撤去、河川内の樹木の伐採、砂防堰堤における土石流抑制機能を維持管理するための堆積土砂掘削等の対策が求められている。しかし、従来は財政的な事情から浚渫事業を十分に進めることが困難な状況であった。
こうした中、近年の気候変動の影響により大規模な浸水被害等が全国で相次ぎ、対策の必要性がより一層高まったことから、地方公共団体が緊急かつ集中的に浚渫事業に取り組み、危険箇所を解消できるよう、国において令和2年度から令和6年度までを事業期間とする緊急浚渫推進事業債が創設された。
本県では、この制度を活用して予算を確保し、河川氾濫の発生が危惧される箇所及び土砂の堆積が著しい箇所を中心に堆積土砂撤去等の取組を加速している。
その結果、令和5年度までに河川で67万㎥、砂防で32万㎥の堆積土砂の撤去が完了し、河川の流下能力及び砂防堰堤の土石流抑制機能の回復が図られ、周辺住民等地域から安心の声が数多く届いているなど、対策は確実に効果を発揮している。
特に、二級河川安濃川等では、令和6年8月26日から9月2日にかけて台風10号の影響により過去に浸水被害が発生した大雨と同規模の雨量を観測した。しかし、これらの河川では、堆積土砂撤去等を実施していたため、水位の上昇が軽減され、家屋の浸水被害は発生せず、地域の安全が確保されることとなった。
一方で、対策を必要とする箇所は県内に数多く残されており、地域から堆積土砂撤去等を求める声は多い。加えて、令和6年9月に能登半島を豪雨が襲い、河川氾濫又は土石流が相次いで発生したように、今後も台風等による被害及び新たな土砂、流木等の発生が懸念される。
県民の生命、人家、田畑等の財産を守り、県民が安心して暮らせるよう、引き続き、手を緩めることなく対策を進めることが必要不可欠である。
よって、本県議会は、国に対し、緊急浚渫推進事業債について、令和7年度以降の延長を図ることを強く求める。
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和6年10月18日
三重県議会議長 稲垣 昭義
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣