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市町村が定める農業振興地域整備計画の変更手続に係る制度改正を求める意見書
農業振興地域の整備に関する法律(以下「農振法」という。)に基づき、市町村は、その区域内にある農業振興地域について農業振興地域整備計画を定めなければならないこととされており、その中で農用地区域について定めるものとされている。
農用地区域内にある農地は、原則として転用することができないため、農地の転用の必要がある場合には、市町村が当該農地を農用地区域から除外するための農業振興地域整備計画の変更を行う必要がある。農業振興地域整備計画の変更は、農振法第13条に基づき、市町村が職権で行うことになるが、実際上、転用を必要とする住民が市町村に対し農業振興地域整備計画の変更に係る申出を行い、それに基づき市町村が当該変更を行うことが通例となっている。
しかし、農業振興地域整備計画は市町村全域で一つの計画であることから、農振法第13条第4項において準用する第11条に定める異議の申出又は審査の申立て(以下「異議申出等」という。)があった場合、同条第8項により当該異議申出等の処理が全て終わらなければ農業振興地域整備計画の変更に必要な都道府県知事への協議の申出をすることができないこととされており、当該異議申出等の内容に関係しないと考えられる農地の農用地区域からの除外を含めた全ての変更手続が長期にわたって進展しないことがある。
一方、農振法第13条第2項第1号において、農業振興地域整備計画の変更における農用地区域からの除外の要件として、当該変更に係る農地の転用が必要かつ適当であって、農用地区域以外の区域内の土地をもって代えることが困難であることが挙げられており、変更の申出を行った住民には農地を緊急に転用する必要性があることが推認できることから、変更手続が長期間進展しないことによって、異議申出等の内容に関係しない農地の農用地区域からの除外に係る変更の申出をした住民は大きな不利益を受けることとなる。
よって、本県議会は、国において、市町村が定める農業振興地域整備計画の変更について、異議申出等があった場合においても、異議申出等の内容と関係しないと認められる農地の農用地区域からの除外に係る部分については当該異議申出等の処理とは別に手続を進め、当該部分に係る農業振興地域整備計画の変更を先行して行うことが可能となるよう、制度の改正を強く要望する。
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和3年11月1日
三重県議会議長 青木 謙順
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
農林水産大臣