防災・減災、国土強靱化対策の継続及び拡充を求める意見書
近年、令和元年東日本台風、令和2年7月豪雨など、激甚化・頻発化する自然災害により全国各地で甚大な被害が発生しており、我が国にとって国土強靱化は、依然として喫緊の課題である。
現在、令和2年度までを実施期間とする「防災・減災、国土強靱化のための3か年緊急対策(以下「3か年緊急対策」という。)」により、国と地方が一体となってハード、ソフトの両面から、防災・減災、国土強靱化対策を集中的に実施しているが、対策が必要な箇所はいまだ多数存在するため、中長期的視野に立って具体的目標を掲げ、取組の加速化・深化を図ることが極めて重要である。
本県でも、3か年緊急対策を活用し県土の強靱化対策を強化してきたところであるが、想定される大規模自然災害や南海トラフ地震等に対して事前防災及び減災の取組を引き続き推し進め、県内の脆弱な社会インフラを整備し、機能を維持する必要性はいまだ高い。
また、地域住民の安全・安心を確保し、大都市部への過度な一極集中から脱却するためにも地方の強靱化対策は必要不可欠である。
よって、本県議会は、国において、防災・減災、国土強靱化対策をより一層推進するために、下記の措置を講じることを強く要望する。
記
1 令和3年度以降においても、国土強靱化基本計画に基づき、中長期的な見通しのもと、国土強靱化対策の対象事業を拡大するとともに、別枠による必要かつ十分な予算の確保など、対策の抜本的強化を図ること。なお、その配分に当たっては、社会資本整備の遅れがみられる地方に十分配慮すること。
2 地方公共団体が、策定・見直しを進めている国土強靱化地域計画に基づく取組を、迅速かつ確実に実施するために必要な予算の総額確保を図ること。
3 長寿命化計画に基づく戦略的な現有ストックの修繕や更新等の老朽化対策が確実に進められるよう、新たな財源を創設するとともに、長期安定的に必要かつ十分な予算を確保すること。
4 令和2年度で終了することとされている緊急防災・減災事業や緊急自然災害防止対策事業等については、地方公共団体の取組状況を踏まえ、適切に検討を行い、令和3年度以降も延長するとともに、地方の実情に沿った、より活用しやすい地方債制度にするなど地方財政措置を拡充すること。
5 社会資本の適切な整備及び管理に加え、災害発生時の迅速かつ円滑な対応等のため、国の地方整備局を含め、現場に必要な人員の確保や体制の維持及び充実を図ること。
以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。
令和2年9月24日
三重県議会議長 日沖 正信
(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国土強靱化担当大臣
内閣府特命担当大臣(防災)