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三重県議会 > 県議会の活動 > 本会議 > 意見書・決議 > 令和6年定例会2月定例月会議で可決した意見書(3月22日可決分) > 食料の安定供給及び食料自給力向上の対応強化を求める意見書

食料の安定供給及び食料自給力向上の対応強化を求める意見書

食料の安定供給及び食料自給力向上の対応強化を求める意見書

 ロシアのウクライナ侵攻、エネルギー・生産資材の価格高騰、気候変動による異常気象、世界人口の増加による食料不足等の影響から、食料の安定供給に対するリスクが高まっている。
 日本の食料自給率はカロリーベースで38%と低い状況にあるため、食料安全保障の観点から、国内生産を効率的に増大させる必要性が高まっている。
 今後、人口減少・少子高齢化が急速に進み、農業従事者が大幅に減少することが確実であることから、少ない農業者で農業生産を支えていかなければならない状況にある。
 水産業においても、漁業従事者の減少が進む中、海水温の上昇、栄養塩類の不足といった漁場環境の変化への対応を進めつつ、生産性の向上を図っていく必要がある。
 また、食料の安定供給を図り自給率を高めていくためには、食に関する国民理解の醸成を図る必要があることから、地場産物の利用促進及び地域の食文化の継承・発展に向けて取り組むことは大切なことである。
 よって、本県議会は、食料の安定供給及び食料自給力向上を図るため、国に対し、下記の事項の実施を強く要望する。

1 担い手への農地集積・集約化に向け、スマート農業に適した農地の大区画化、農業用水路のパイプライン化等、生産基盤の整備を推進すること。

2 輸入依存の肥料及び飼料については、国産化に向けた支援を積極的に行うとともに、畜産農家と耕種農家の連携を推進すること。

3 水産業の持続的な発展に必要となる「豊かな海」の再生に向けて、関係省庁が連携し、栄養塩類が水産資源に与える影響の解明に向けた調査・研究を進め、改善に向けた取組を実施すること。

4 日本の漁業・養殖業の生産量が長期的な減少傾向にある中、成長産業化が見込まれる養殖業の生産量を拡大するために、適正養殖可能数量の設定方法を見直すこと。

5 食料自給率は生産努力目標及び望ましい消費の姿を示すものであることから、現在、国において食料・農業・農村基本法の見直しを行っているところ、改正後の同法に基づく基本計画においても、適切な食料自給率目標を設定すること。

6 地域農業の一翼を担う小規模・家族農業は農業所得の低迷、高齢化による後継者不足といった厳しい環境にあることから、日本型直接支払制度等の既存の支援策及び生産振興策の拡充を講じること。

7 持続可能な農業の実現に向けて、資材価格の高騰時でも生産・流通コストを反映した適正な価格形成が図られるよう、必要な施策を講じること。

8 燃料、飼料等の資材価格の高騰により、経営環境が厳しくなっている漁業者及び畜産業者を支援するため、セーフティネットの拡充を講じること。

9 農業従事者の高齢化及び後継者・担い手不足により、荒廃農地が年々増加しており、周辺農地へも悪影響を及ぼしていることから、農地の確保及び適正・有効利用のための総合的な支援を講じること。

10 農業生産の規模拡大、高齢化による労働力不足等に対応するため、農作業の受託等農業者をサポートするサービスへの潜在的ニーズが高まっていることから、利用促進に向けた施策を講じること。

11 次代を担う子どもたちの食に関する指導を担う栄養教諭が不足していることから、栄養教諭の配置基準を見直し、地域の食文化に関する教育の充実を図ること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

  令和6年3月22日

三重県議会議長  中森 博文  

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
文部科学大臣
農林水産大臣
環境大臣

 

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