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防災・減災、国土強靱化対策の拡充を求める意見書

防災・減災、国土強靱化対策の拡充を求める意見書

 1月1日に最大震度7を観測した令和6年能登半島地震により、特に、能登半島において甚大な被害が発生した。能登半島は三方を海に囲まれ交通網がぜい弱であることから、災害時のアクセスルートの確保等様々な課題が浮き彫りとなった。今回の震災から得られた教訓も生かしながら、引き続き、災害に屈しない強じんな国土づくりを進めることが必要である。
 現在、令和7年度までを実施期間とする「防災・減災、国土強靱化のための5か年加速化対策(以下「5か年加速化対策」という。)」により、国と地方公共団体が一体となってハード、ソフトの両面から、防災・減災、国土強靱化対策を集中的に実施しているが、対策が必要な箇所はいまだ多数存在するため、中長期的視野に立って具体的目標を掲げ、取組の加速化・深化を図ることが極めて重要である。
 紀伊半島に位置する本県においても、5か年加速化対策を活用し県土の強靱化対策を強化してきたところであるが、発生が危惧される南海トラフ地震等に対して事前防災及び減災の取組を引き続き推し進め、県内の脆弱な社会インフラを整備し、機能を維持することの必要性はいまだ高く、今回の能登半島地震の教訓を踏まえ、その重要性は高まっている。
 また、地域住民の安全・安心を確保し、大都市への過度な一極集中から脱却するためにも地方の強靱化対策及びそれを担う建設業等の体制整備は必要不可欠である。
 よって、本県議会は、国において、防災・減災、国土強靱化対策をより一層推進するために、下記の措置を講じることを強く求める。


1 5か年加速化対策期間完了後においても、昨今の甚大な被害をもたらす地震、豪雨、豪雪等の災害の状況も踏まえた上で、切れ目なく、継続的・安定的に国土強靱化の取組を進めるため、必要な事業規模を十分確保した国土強靱化実施中期計画を令和6年内に策定すること。

2 道路、電気、通信、上下水道等のライフラインの寸断等能登半島地震による甚大な被害に鑑み、国土強靱化実施中期計画の策定に当たっては、国土強靱化の対象事業を拡大するとともに耐震化の更なる強化や災害時における代替路線の整備の加速化等を行うこと。また、資材価格の高騰及び賃金水準の上昇も踏まえ、別枠による必要かつ十分な予算の確保等、対策の抜本的強化を図ること。なお、その配分に当たっては、社会資本整備の遅れがみられる地域に十分配慮すること。

3 令和6年度で終了することとされている緊急浚渫しゅんせつ推進事業、令和7年度で終了することとされている緊急防災・減災事業、緊急自然災害防止対策事業等については、地方公共団体の取組状況を踏まえ、適切に検討を行い、延長するとともに、地方の実情に沿った、より活用しやすい地方債制度にする等、地方財政措置を拡充すること。

4 建設業における労働環境の改善を進め、人材の確保及び育成並びに次世代への技術力の継承に向けた環境整備に積極的に取り組むこと。

5 社会資本の適切な整備及び管理に加え、災害発生時の迅速かつ円滑な対応等のため、国の地方整備局を含め、現場に必要な人員の確保並びに体制の維持及び充実を図ること。

 以上のとおり、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


  令和6年3月22日

三重県議会議長  中森 博文  

(提出先)
衆議院議長
参議院議長
内閣総理大臣
総務大臣
財務大臣
国土交通大臣
内閣官房長官
国土強靱化担当大臣
内閣府特命担当大臣(防災)

 

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