市場調査メモ | 魚種解説 |
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ウルメイワシ
標準和名
ウルメイワシ
学名
Etrumeus teres
地方名
うるめ
分類
ニシン目ニシン科ウルメイワシ属
特徴
体は円筒形で目が大きい。腹部正中線に稜鱗(りょうりん 鋭い棘を持つ大きな鱗)をもたない。背鰭起部は腹鰭起部よりはるかに前にある。
漁法
まき網、定置網ほか
来遊時期と魚体
夏から秋の被鱗体長20cm未満の未成魚が主体で、1~6月には20㎝以上の成魚も加わるが、熊野灘では冬春季の漁獲は少ない。
加入動向と資源豊度
春季の定置網に混獲される幼魚は、秋以降のまき網の漁獲主体とはならないと考えられることから、6月以降に定置網やまき網で漁獲される遅生まれ群が資源豊度を左右する可能性がある。
成熟
熊野灘では、1~5月ごろ、15㎝以上で成熟した個体が漁獲されることがあるが、漁獲量も少なく、年によって体長や時期もまちまちであることから、現状ではウルメイワシの産卵場として主要な海域ではないと考えられる。
近年の漁獲状況
2007年を機に漁獲水準が年間1,000トン程度から3,000トン以上に大きく上昇し、その後も3,000トンの水準から大きく突出する好漁年が頻繁にみられている。
2014年の漁獲状況
1,2月の中型まき網による漁獲量は前年及び過去10年平均を下回ったが3月に産卵群の来遊が見られ急増し、5月まで前年および過去10年平均を上回った。6月には例年並の低水準となり、7月にはほとんど漁獲されなくなった。例年漁獲が増加する8月も前年および過去10年平均を大きく下回ったが、9~11月以降、それまで定置網でみられていた0歳魚がまとまって漁獲され、年間合計では前年および過去10年平均を大きく上回った。
2015年の漁獲状況
1~3月の中型まき網による漁獲量は、前年および過去10年平均を上回った。漁獲主体は22㎝前後の大型魚で、成熟度が高いことから産卵群であると推測される。
研究成果
- 2013年は春季の定置網への来遊が見られなかったものの、秋以降は例年並の漁獲となったことから、春季の定置網に混獲される幼魚は、夏秋季のまき網で漁獲される0歳魚の主体とはならず、6月以降の加入あるいは他海域からの来遊が好不漁を左右すると考えられた。(岡田 誠・久野正博 2014. 2013年冬春季の熊野灘における小型浮魚類の加入と海況:黒潮の資源海洋研究15号)
ウルメイワシの資源評価
外部リンク(我が国周辺の水産資源の現状を知るために) ウルメイワシ太平洋系群