市場調査メモ | 魚種解説 |
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マイワシ
標準和名
マイワシ学名
Sardinops melanostictus
地方名
ひらご、平子(サイズにより大羽、中羽、小羽、小平などと呼ばれる)
分類
ニシン目ニシン科マイワシ属
特徴
鰓蓋(主鰓蓋骨)に骨質条線がある。体はやや側扁し、腹部正中線に稜鱗(りょうりん 鋭い棘を持つ大きな鱗)がある。体側には黒点が並ぶ。
漁法
まき網、定置網ほか
来遊時期と魚体
熊野灘では夏から秋は被鱗体長20cm未満の0歳魚、1歳魚が主体、冬から夏は20~22cm程度の成魚が来遊する。伊勢湾では夏から秋にかけて15cm前後の0歳魚が漁獲される。
由来の異なる加入群と資源の主体
夏秋季に漁獲される0歳魚は、冬までに15~20cmに達するのに対し、冬春季に漁獲される明け1歳魚は12~15cmと明らかに小さい。前者は、同一年級群の中でより早くに生まれた個体が沿岸に加入した群れ、後者は遅生まれが黒潮ー親潮移行域で生育した沖合加入群と考えられている。また、太平洋系群の主体は後者の沖合加入群であり、沖合加入群と沿岸加入群はお互いに独立した加入動向を示すと考えられている。
成熟
熊野灘では、3月を中心に、14cm以上で成熟するが、年によって産卵の時期や体長が若干異なる。また、伊勢湾では秋に0歳魚が産卵することがあり、熊野灘でも沿岸加入群の一部は秋冬季に成熟する。
近年の漁獲状況
1990年代になって急減し、1996年以降15年間はほぼ5千トン以下の低水準な漁獲が継続したが2011年以降増加傾向が続いている。漁獲主体は夏秋季の0歳魚で、2015年以降は冬春季の産卵群もまとまって漁獲されるようになっている。なお、1980年代の高水準期にみられた春季の産卵後の大羽群とは魚群の性状が異なっている。
研究成果
- 2011年秋季に伊勢湾で産卵を確認(岡田 誠 2013.2011年の伊勢湾、熊野灘におけるマイワシ0歳魚の来遊および産卵:第61回サンマ等小型浮魚資源研究会議報告)
- 熊野灘におけるマイワシの年輪は、鱗では2~4月、耳石では後縁の不透明帯が5月頃形成されることを示し、年齢査定と体長組成の検討により、沿岸加入群と沖合加入群の来遊を指摘(岡田 誠 2013.熊野灘におけるマイワシ2011年級群の来遊および鱗・耳石の第1年輪形成:黒潮の資源海洋研究14号)
- 4月の定置網に混獲される7.5cmの幼魚が、夏秋季のまき網で漁獲される0歳魚の主体となる。それらは1月に土佐湾で産卵された群れである可能性が考えられる。2013年は定置網、まき網ともに不漁であった。(岡田 誠・久野正博 2014.2013年冬春季の熊野灘における小型浮魚類の加入と海況:黒潮の資源海洋研究15号)
研究成果
- 2011年秋季に伊勢湾で産卵を確認(岡田 誠 2013.2011年の伊勢湾、熊野灘におけるマイワシ0歳魚の来遊および産卵:第61回サンマ等小型浮魚資源研究会議報告)
- 熊野灘におけるマイワシの年輪は、鱗では2~4月、耳石では後縁の不透明帯が5月頃形成されることを示し、年齢査定と体長組成の検討により、沿岸加入群と沖合加入群の来遊を指摘(岡田 誠 2013.熊野灘におけるマイワシ2011年級群の来遊および鱗・耳石の第1年輪形成:黒潮の資源海洋研究14号)
- 4月の定置網に混獲される7.5cmの幼魚が、夏秋季のまき網で漁獲される0歳魚の主体となる。それらは1月に土佐湾で産卵された群れである可能性が考えられる。2013年は定置網、まき網ともに不漁であった。(岡田 誠・久野正博 2014.2013年冬春季の熊野灘における小型浮魚類の加入と海況:黒潮の資源海洋研究15号)
マイワシの資源評価
外部リンク(我が国周辺の水産資源の現状を知るために) マイワシ太平洋系群