平成19年度当初予算(案)のポイント
1.予算編成にあたっての基本的な考え方
平成19年度は、「県民しあわせプラン・第二次戦略計画(仮称)」のほか「三重県教育振興ビジョン第四次推進計画」「第2次三重県生涯学習振興基本計画」「第6次三重県スポーツ振興計画」がスタートします。これらを受け、教育委員会では、「学校教育の充実」「生涯学習の推進」「スポーツの振興」の3本の施策を中心に、計画の実現に向け着実に取り組んでいきます。
- 「学校教育の充実」においては、引き続き少人数学級等のきめ細かくいきとどいた教育の推進などにより、学力の定着・向上をはかるとともに、学校種間の連携を深め、就学前から高校までの一貫した人づくりを進めます。また、特別支援教育を推進するための体制整備に取り組みます。
子どもたちが安心して学校生活を送ることができるよう、いじめの未然防止、早期発見・早期対応、規範意識の醸成のほか、安全ボランティアの育成などに取り組みます。 - 「生涯学習の推進」においては、誰もがいつでもどこでも学習できるよう、魅力ある学習の機会や情報を提供できる環境の整備に取り組みます。
また、子育て環境の整備をはかり、子どもたちが地域社会の中で健やかに育まれるよう、放課後児童対策を推進するとともに、親が不安や悩みを解消し、自信を持って家庭教育ができるよう、親の「学び」や「育ち」を積極的に支援します。 - 「スポーツの振興」においては、誰もが身近にスポーツに親しむことができるよう、地域における取組を支援するとともに、引続き競技力の向上に取り組みます。
また、2009年に本県で開催する「第29回世界新体操選手権大会」に向けて具体的な準備を進めます。
2.主な重点項目
(1)少人数教育推進事業 説明図 予算額1,258,446千円
①教員の配置拡充 (定数20人、非常勤185人、370,455千円)
○小学校において、各学校の実情に応じ、少人数授業などの拡大をはかるため、教員の配置を拡充(10人増)し、きめ細かな少人数教育を一層推進します。
②小学校1、2年生での30人学級の継続 (定数122人、521,428千円)
○小学校1、2年生での30人を基準とした学級編制(ただし、下限25人)を継続して実施します。
③中学校での35人学級の弾力的実施 (定数56人、非常勤80人、366,563千円)
○中学校1年生での35人を基準とした学級編制(ただし、下限25人)を引き続き実施するとともに、各学校の実情に応じて、2年生あるいは3年生に弾力的に振り替えられる制度も継続します。
(2)(一部新)学力向上支援事業 説明図 予算額 18,646千円
○児童生徒の学力の定着・向上をはかるため、課題のある小・中学校を中心に、授業方法や評価方法等の工夫・改善や補習への取組を支援するとともに、県独自の学習教材を作成します。
(3)(新)教育改革推進事業 説明図 予算額 3,178千円
○子どもたちを取り巻く環境の変化や学習ニーズの多様化に対応し、就学前から高校教育までを見通した「育ちのリレー」をより実効性のある取組とするため、学識経験者や県民の方々などからなる「三重県教育改革懇談会」を設置し、より多面的、専門的な調査検討を行います。また、国が進める新しい教育改革の動きも踏まえ、三重県全体の教育のあり方を広い視野から検討し、今後の方向性を示します。
(4)(新)学びのステージ創造推進事業 説明図 予算額 7,432千円
○地域、幼稚園、保育所、小学校、中学校間の連携を深めてさまざまな課題を解決する取組を推進し、子どもたちが就学前から中学校まで発達段階に応じた学校生活を送ることができる教育環境をつくるとともに、郷土三重について自信を持って発信できる人づくりを進めるための学習教材づくりに着手します。
(5)高校活性化推進事業 説明図 予算額 6,527千円
○少子化等の時代の変化や生徒の多様なニーズに対応して、各高等学校の個性化、特色化をはかる取組を支援し,県立高等学校の再編活性化計画を推進します。
(6)特別支援教育推進事業 説明図
①(新)特別支援教育総合推進事業 予算額 4,752千円
○特別支援学校が地域におけるセンター的機能を発揮できるよう、自校の専門性を向上させるとともに、小・中学校等の要請に応じて、LD(学習障がい)・ADHD(注意欠陥/多動性障がい)等を含めた障がいのある子どもの「個別の教育支援計画」策定を支援します。
②(新)特別支援教育移行緊急対策事業 予算額 9,738千円
○高等学校に専門的知識や経験を持った特別支援教育推進員を派遣し、LD・ADHD等の障がいのある生徒を支援します。
(7)(新)「いじめゼロ」子どもいきいき学校生活支援事業 説明図 予算額 12,660千円
○すべての児童生徒にいじめ防止に関する啓発資料を配布するとともに、電話相談体制を充実するほか、モデル校を指定して、いじめ問題に対する実践的な調査研究を行うことにより、いじめの未然防止、早期発見・早期対応に努めます。
(8)(新)放課後子ども教室推進事業 説明図 予算額 72,329千円
○子どもたちが地域社会の中で、心豊かで健やかに育まれるよう、放課後や週末等に小学校の余裕教室等を活用し、地域の方々の参画を得て、共に勉強やスポーツ・文化活動、交流活動などを行う放課後児童対策を推進します。
(9)親学推進事業 説明図 予算額 7,529千円
○子どもの教育やしつけに関する親の不安や悩みを解消し、自信を持って家庭教育ができるよう、未就学児の親向けの学習プログラムを活用した親同士の学びと交流や、地域の支援者のスキルアップと交流を推進します。
また、新たに、小・中学生の親向けのプログラムを作成するとともに、家庭教育に関心の薄い親を対象にした子育て情報も発信し、親の「学び」や「育ち」を積極的に支援します。
(10)美術館活性化事業〔開館25周年「マルク・シャガール展」開催事業〕 説明図 予算額 34,079千円
○県立美術館の開館25周年記念事業として、日本で最も人気がある画家の一人マルク・シャガールの芸術を紹介する「シャガール展」を開催し、優れた芸術作品に接する機会を多くの県民に提供します。
(11)文化財を活かしたこころのふるさと三重づくり事業 説明図 予算額 97,737千円
○地域の貴重な文化財について、所有者や地域住民等から活用方策の提案を受け、修復のうえ、公開・活用を推進します。また、国史跡斎宮跡について史跡東部の整備や史跡全体の活用をはかっていきます。
(12)世界新体操選手権大会開催準備事業 説明図 予算額 44,689千円
○2009年に本県で開催する「第29回世界新体操選手権大会」に向けて、大会組織委員会、事務局の設置、2007年大会の調査、事前広報など準備活動を実施します。
3.事業の見直し
○厳しい財政状況の中、効果的に施策を推進するため、すべての事業について成果の確認と検証を行い、目的を達成した事業の廃止やリフォーム、さらには、全般にわたって経費の節減をはかりました。事業本数 | 事業費 | |
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廃止事業 | 13本 | △132,868千円 |
リフォーム事業 | 12本 | △81,424千円 |
休止事業 | なし | なし |
合計 | 25本 | △214,292千円 |