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令和06年09月20日

結核対策について

結核とは

 結核は、結核菌が体の中に入ることによっておこる、日本最大の感染症です。現在でも全国で毎年1万人以上の方が結核にかかり、約2千人の方が亡くなられています。
 患者の咳やくしゃみによって飛び散った結核菌を吸い込むことによって感染し(空気感染という)、一般的には肺の内部で増えて、咳、痰、呼吸困難等の症状を呈することが多いですが、肺以外の腎臓、骨、脳など身体のあらゆる部分に影響を及ぼすことがあります。また、結核菌に感染した場合、免疫力の作用により必ずしもすぐに発症するわけではなく、体内に留まったのち、免疫力の低下とともに再び活動を開始し、発病することがあります。

結核の症状

 結核菌は主に肺の内部で増えるため、咳、痰、発熱、倦怠感、呼吸困難等、風邪のような症状を呈することが多く、食欲不振、体重減少といった症状を呈することもあります。特に、小児や高齢者は咳や痰などの症状が現れにくく、小児では全身に及ぶ重篤な結核につながりやすいため、また、高齢者は診断の遅れによる家族や周囲への感染拡大のおそれがあるため、注意が必要です。
 結核は早期発見が重要ですので、風邪のような症状が2週間以上続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。
 

三重県の結核の状況

 三重県の令和4年の結核新規登録者数(以下、新規登録者数)は139人(前年148人)であり、人口10万人あたりの新規登録者数(り患率)は8.0(8.4)であり、高齢者と外国出生者の届出が多くなっています。
 さらに詳細なデータについては、以下の外部リンク【三重県感染症情報センター】からご覧ください。
 

高齢者の結核対策について

 近年、戦後の結核高まん延期に結核に感染し、加齢等による免疫低下で結核を発症する方の割合が増えており、三重県でも令和4年に報告された結核患者の約7割が70歳以上の高齢者です。
 高齢者の方は、各種福祉サービスを利用されることも多く、結核患者の発見が遅れると、患者のご家族や施設内で感染が広がるおそれがあるため、早期発見が重要です。

1.結核の定期健康診断(胸部X線検査)を受けましょう。 

 65歳以上の方は、咳や痰などの症状がなくても、結核の発病を見逃さないため、年に1回、市町の結核検診などで胸部X線検査を受けましょう。(健診日時や場所などは市町の広報などで確認してください。)
 また、高齢者福祉施設等の職員についても、入職時及び年に1回の結核検診を受けましょう。
 要精密検査となった方は、必ず精密検査を受けてください。

2.周囲の方が適切な受診を促しましょう。

 65歳以上の方は市町の結核検診の対象ですので、ご家族や施設の職員等が受診を促しましょう。

3.毎日の健康観察をしましょう。

 高齢者の場合、咳や痰の呼吸器症状が伴わないことも多いため、体重が減ってきた、なんとなく食欲がない、微熱などの症状が2週間以上続く時は、早めに医療機関を受診しましょう。
 また、高齢者福祉施設等では、毎日の健康観察を行い、観察結果を記録することで、症状が継続しているか誰でも確認できるようにしましょう。
 

外国出生者の結核対策について

 訪日外国人や外国人労働者の増加に伴い、外国出生者における結核患者の割合が増加しており、三重県においても令和4年に報告された結核患者の約2割が外国出生者です。
 結核を早期に発見し、適切な治療を受けることは、本人のためだけでなく、会社等の組織全体を守ることにつながります。結核の早期発見のために、特に外国出生者を雇用する事業所については、以下についてご理解をお願いします。

1.事業所で外国出生者の健康管理をお願いします。 

 外国出生者の中には、言語の違いから体調が悪いことを伝えにくい方や、仕事を優先するために医療機関への受診を控える方もいらっしゃる可能性があります。事業所において、毎日の健康観察を行い、風邪のような症状が2週間以上続く時や、体重減少、顔色が悪い、食欲不振などの症状が長引く時は、早めに医療機関を受診するよう勧めてください。

2.定期健康診断(胸部X線検査)を実施してください。

 特に、外国人技能実習生には、来日すぐに健康診断を行ってください。健康診断で要精密検査となった場合は、受診勧奨を積極的に行い、検査結果を確認してください。

3.発病後も排菌がなければ治療しながら仕事をすることができます。

 発病しても、痰の中に結核菌が出ていない場合、周囲の人への結核は感染しません。通院治療を行いながら仕事を行うことができます。結核を正しく理解いただくとともに、事業所内での正しい知識の普及啓発をお願いします。
 

結核の治療

 もし結核と診断されても、主治医の指示のもと、6~9ヶ月間、毎日服薬すれば治る病気です。しかし、服薬期間が長いこともあり、症状がなくなったことで、服薬を途中で止めてしまうと治りません。それどころか、菌は抵抗力をつけ、薬が全く効かない薬剤耐性菌になる危険性があります。治療が確実に行われるよう、入院中も退院後も医療機関や保健所等が協力して服薬を見守る、日本版DOTS(直接服薬確認療法)が推進されています。結核を治すには確実な治療が必要です。
 

結核の治療にかかる費用について

 結核の治療にかかる費用については「公費負担制度」があります。(勧告による)入院、通院等の違いにより申請方法や負担割合が異なります。詳しくは下記の相談窓口までお問合せください。 
 結核医療・結核予防に関すること(リンク)
 

相談窓口

 結核に関するご相談は、お住いの最寄りの保健所へご連絡ください。
保健所名 担当課 電話番号
桑名保健所 健康増進課 0594-24-3625
鈴鹿保健所 健康増進課 059-382-8672
津保健所 健康増進課 059-223-5184
松阪保健所 健康増進課 0598-50-0531
伊勢保健所 健康増進課 0596-27-5137
伊賀保健所 健康増進課 0595-24-8045
尾鷲保健所 健康増進課 0597-23-3454
熊野保健所 健康増進課 0597-89-6115
四日市市保健所 保健予防課 059-352-0595
 

9月24~30日は結核・呼吸器感染症予防週間です

 毎年9月24日から30日までを「結核予防週間」として、結核予防に関する普及啓発などが全国で行われています。
 一方、近年、新型コロナウイルス感染症をはじめとした呼吸器感染症の脅威が再認識されていることから、令和6年度からは「呼吸器感染症予防週間」が新設され、「結核予防週間」と同期間に「結核・呼吸器感染症予防週間として、呼吸器感染症が例年流行する秋冬前に、マスク着用を含む咳エチケット、手洗い、換気等の基本的感染対策や予防接種の重要性等、呼吸器感染症に関する知識の普及啓発などを行っています。

令和6年度 結核・呼吸器感染症予防週間標語

「結核はまだまだ身近な病気です」(令和6年度 結核予防週間標語)
「予防しよう 身近な呼吸器感染症」(令和6年度 呼吸器感染症予防週間標語)


リーフレット(pdf:225kb)

ポスター(pdf:207kb)
 

ポスターの解説

(結核)
・結核の症状(長引く咳、たん、微熱、体のだるさなど)には特徴的なものがなく、初期には目立たないことが多いため、特に高齢者では気づかないうちに進行してしまうことがあります。
・結核を発症しても、早期に発見できれば重症化を防げるだけではなく、家族や友人等への感染拡大を防ぐことができます。
・咳やたんが2週間以上続いたり、微熱や体のだるさが続く場合は、早めに医療機関を受診しましょう。

(呼吸器感染症)​
・今般、新型コロナウイルス感染症をはじめとした呼吸器感染症の脅威が再認識されています。
・呼吸器感染症が例年流行する秋・冬前だからこそ、マスク着用を含む咳エチケット、手洗い・手指消毒、換気など基本的な感染対策を心がけましょう。

外部リンク

 結核についての詳しい情報は、下記ホームページを参考にしてください。

【三重県感染症情報センター】
https://www.kenkou.pref.mie.jp/disease.html

【厚生労働省】
http://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/kenkou_iryou/kenkou/kekkaku-kansenshou03/index.html

【厚生労働省検疫所】
http://www.forth.go.jp/useful/infectious/name/name65.html

【国立感染症研究所】
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/ka/tuberculosis.html

【公益財団法人結核予防会結核研究所】
http://www.jata.or.jp/index.php

本ページに関する問い合わせ先

三重県 医療保健部 感染症対策課 感染症対策班 〒514-8570 
津市広明町13番地(本庁4階)
電話番号:059-224-2712 
ファクス番号:059-224-2558 
メールアドレス:kansenta@pref.mie.lg.jp

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