消防施設整備計画実態調査
1 消防力の整備指針
市町村においては、消防を取り巻く社会経済情勢の変化を踏まえ、今後とも、住民の生命、身体及び財産を守る責務を全うするため、消防力の充実強化を着実に図っていく必要があります。
このためには、各種の災害に的確に対応できるよう警防戦術及び資機材の高度化等の警防体制の充実強化を図るとともに、建築物の大規模化・複雑化等に伴う予防業務の高度化・専門化に対応するための予防体制の充実強化、高齢社会の進展等に伴う救急出動の増加や救急業務の高度化に対応するための救急体制の充実強化、複雑・多様化する災害における人命救助を的確に実施するための救助体制の充実強化等を、職員の安全管理を徹底しつつ推進していく必要があります。
さらに、地震や風水害等の大規模な自然災害等への備えを強化するため、緊急消防援助隊をはじめとする広域的な消防体制の充実を図ることが求められています。
以下の指針は、こうした事情を踏まえて、市町村が目標とすべき消 防力の整備水準を示すものであり、市町村においては、その保有する 消防力の水準を総点検した上で、この指針に定める施設及び人員を目標として、地域の実情に即した適切な消防体制を整備することが求められています。
【消防力の整備指針 〔平成12年1月20日(消防庁告示第1号)〕前文より】
2 消防力の整備指針(消防力の基準)の制定、改正の経緯
消防力の基準(昭和36年消防庁告示第2号)は、制定当時、全国各地で大火が頻発していたという時代背景を受け、国としてできるだけ早く市町村の消防力の増強を推進するため、市町村が火災の予防、警戒等を行うために必要な最小限度の施設、人員を定めることを目的として、昭和36年に制定されました。
以後、数字の改正を経て、平成12年には近年の都市構造の変化、消防需要の変化に対応して、より実態に即した合理的な基準となるよう、全部改正が行われ、それまでの「必要最小限度の基準」から「市町村が適切な規模の消防力を整備するにあたっての指針」へと性格が改められました。平成17年には、基本理念、消防職員の職務能力の基準、兼務の基準等の項目を追加するなどの一部改正が行われ、題名も「消防力の基準」からも「消防力の整備指針」(平成12年消防庁告示第1号)に改められました。
その後、東日本大震災における教訓や近年の消防を取り巻く環境の変化等に的確に対応すべく、平成26年10月に一部改正が行われ、非常用車両の配置基準の見直し及び大規模災害時に消防庁舎が被災を受けた場合の代替施設の確保計画を策定することが追加され、消防を取り巻く環境の変化への対応として、救急自動車、予防要員、通信員の配置基準の見直し、救急隊員の代替要員を確保すること等が追加されました。なお、同日付け消防庁告示第29号により「消防水利の基準」(昭和39年消防庁告示第7号)の一部も改正されています。
3 消防施設整備計画実態調査の実施
「消防力の整備指針」及び「消防水利の基準」に基づく、消防施設等の整備実態を把握するため、概ね3年ごとに消防本部を対象にした実態調査が行われています。
令和4年度消防施設整備計画実態調査の結果について(令和5年3月14日付け消防消第52号)
令和元年度消防施設整備計画実態調査の結果について(令和2年3月18日付け消防消第79号)
平成27年度消防施設整備計画実態調査の結果について(平成28年2月5日付け消防消第17号)