三重の消防
火災や風水害等から住民の生命、身体、財産を守るため、消防団員・消防職員は活動しています!
消防団員と消防職員
消防団員は、日常各自の職業に従事しながら、火災や大規模災害発生時に自宅や職場から現場へ駆けつけ、その地域での経験を活かした消火活動・救助活動を行う、非常勤特別職の地方公務員です。消防団は、郷土愛護の精神に基づき有志により組織され、各市町村に設置される公的機関で、県内では全29市町に1団ずつ置かれています。
消防職員は、消防本部又は消防署に勤務し、消火や救急などのサービスを24時間提供しています。消防本部は県内に15あり、消防本部は市町単独で設置されているもの、事務委託により設置されているもの、一部事務組合により設置されているものがあります。
消防の課題
消防施設設備の充実
消防の施設及び設備については、近年複雑多様化する各種災害や阪神・淡路大震災、東日本大震災のような大規模災害に対応し、効果的な消防活動を確保するため、より一層の充実強化を図る必要があります。具体的には、建築物の高層化、危険物品の増加、危険物施設の多様化、救急業務の高度化等に対応して、はしご付消防ポンプ自動車、化学消防自動車、高規格救急自動車等の整備を促進することが必要です。
消防団の充実強化
消防団は、他に本業を持ちながらも「自らの地域は自らで守る」という郷土愛護の精神に基づき、消防・防災活動を行っており、地域の安全確保のために果たす役割は極めて大きいものがあります。
東日本大震災をはじめ、全国各地で地震や風水害等の大規模災害が発生した際には、多くの消防団員が出動し、災害防御活動や住民の避難支援、被災者の救出・救助などの活動を行い、大きな成果を上げており、地域住民からも高い期待が寄せられています。また、南海トラフ地震や首都直下地震などの大規模地震の発生が懸念されており、消防団を中核とした地域の総合的な防災力の向上が求められているところです。
このように、消防団は地域における消防防災体制の中核的存在として、地域住民の安心・安全の確保のために果たす役割はますます大きくなっていますが、全国の多くの消防団では、社会環境の変化を受けて、消防団員数の減少、消防団員のサラリーマン化、消防団員の平均年齢の上昇など、様々な課題を抱えています。
こうした状況を受けて、平成25年12月に国において、消防団を中核とした地域防災力の充実強化を図ることを目的とした「消防団を中核とした地域防災力の充実強化に関する法律」が制定されました。県においても三重県消防協会と連携し、消防団員の確保及び消防団の活性化等の取組を推進していく必要があります。
消防の広域化
消防は、多様化・大規模化する災害・事故等に的確に対応し、住民の生命、身体及び財産を守る責務を全うすることが求められています。しかしながら、小規模消防本部においては、出動体制、保有する消防車両・専門要員の確保等に限界があることや、組織管理や財政運営面での厳しさが指摘されているなど、必ずしも消防体制が十分でない場合があり、その整備・充実のためには、消防の広域化により行財政上のスケールメリットを実現することが極めて有効であるとされています。
そのため、国において平成18年6月に消防組織法の一部改正が行われ、そのことを受けて、本県では平成20年3月に「三重県消防広域化推進計画」を策定し、国の「市町村の消防の広域化に関する基本指針」(以下、「基本指針」という。)に定められた広域化の期限(平成24年度末)に向け、市町と広域化の協議に取組んできましたが、期限までに広域化を実現することはできませんでした。
全国的にも十分な進展が見られなかったことから、国は平成25年4月1日に基本指針を改正し、広域化の期限が平成30年4月1日まで延長されました。本県においても基本指針の改正を受けて、平成26年3月に「三重県消防広域化推進計画(改訂版)」を策定したことから、今後は当該計画に基づく、広域化の実現に向けた取組を推進していく必要があります。
救急業務の高度化
救急業務については、救急隊員の教育訓練を促進するとともに、救急救命士の資格を有する救急隊員の養成を推進するなど、救急業務の高度化を推進し、傷病者の搬送途上における救命効果をより一層向上させる必要があります。また、更なる救急業務の高度化を図るため、救急隊員の行う応急措置等について医学的観点から検証などを行うメディカルコントロール体制の構築に取り組んでいく必要があります。
教育訓練の充実
平成26年4月1日に施行された「消防学校の教育訓練の基準」の改正に伴い、現場指揮者に対する救助活動・安全管理の教育訓練の充実を図ることとなったことから、消防学校において、教育課程の見直しを行い、「幹部科」に現場指揮課程や分団指揮課程を組み入れています。