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平成20年12月09日

農林水産商工部金融・経営課における各種融資制度に関する財務事務の執行

第1 外部監査の方法

  1. 監査の要点
  2. 主な監査手続き

第2 外部監査の結果

  1. 中小企業融資制度(一般会計)
  2. 三重県中小企業者等支援資金(特別会計)
  3. 農業改良資金貸付金
  4. 林業改善基金
  5. 沿岸漁業改善資金

外部監査人意見

1.監査の要点

  • 貸付事務手続きが、根拠法令及び融資要綱(要領)に沿っているか。
  • 債権回収事務手続が、適正に行われているか。
  • 延滞債権の管理及び回収手続が適正に行われているか。
  • 直接貸付、間接貸付等の方法により費用と効果の面で効率性に差があるか。

2.主な監査手続

  • 貸付金を大きく中小企業融資制度(一般会計)、農業改良資金、林業改善資金、沿岸漁業改善資金、三重県中小企業者等 支援資金(特別会計)に区分し、各貸付制度ごとに貸付関係帳簿及び貸付金管理表を突合して各手続の妥当性を検証した。
  • 財政的援助団体である財団法人三重県産業支援センター(以下、産業支援センターという)を通じての貸付については、産業 支援センターに往査し、貸付関係帳簿、貸付金管理表を突合して手続の妥当性を検証した。

1.中小企業融資制度(一般会計)

(1)制度の概要

中小企業の設備資金と運転資金を金融機関を通じて間接融資する方式で、貸倒及び融資費用等が伴わない効率的な制度である。

(2)融資の方法

三重県単独の資金を、三重県信用保証協会や産業支援センターを通じて三重県下の取扱金融機関に預託し、融資制度の種類により条件に合致する事業者に貸付る。

(3)融資の規模

(略)

(4)監査結果

中小企業融資制度の効果が低下していると認められる。
平成10年度から平成12年度にかけて、中小企業金融対策貸付金の残高が急激に減少している。
 三重県が取扱金融機関に預託する原資は、平成12年度を平成10年度と比較すると19.6%減少している。また預託原資による融資枠の内取扱金融機関が実際に融資した消化率は平成10年度で78.8%であったが、平成12年度では65.9%と12.9%低下している。

2.三重県中小企業者等支援資金(特別会計)

(1)制度の概要

小規模企業者等の創業及び経営基盤の強化に必要な設備の導入の促進に資するための資金及び中小企業者の事業の共同化等に必要な資金を貸付、もって小規模企業者等の近代化及び高度化を促進することを目的とする資金である。

(2)融資の方法

A 設備資金の貸付方法

 平成10年度、平成11年度は農林水産商工部金融・経営課から直接事業者に融資を行っていたが、平成12年度は産業支援センターに一括融資をおこない、産業支援センターから事業者へ融資をおこなっている。
 県は、平成11年度以前の融資に関する回収事務を産業支援センターに委託している。

B 設備貸与方式(割賦・リース)

 平成10年度、平成11年度は県が財団法人三重県企業振興公社(以下、企業振興公社という)に一括融資を行い、企業振興公社が事業者への設備貸与及び割賦金等の回収事務を行っていたが、平成12年度は企業振興公社が産業支援センターに組織変更したため、県は産業支援センターへ一括融資を行い、産業支援センターが、設備貸与及び割賦金等の回収事務を行っている。

(3)融資の規模

(略)

(4)監査結果

1.融資制度が有効に機能していないと認められる貸付制度がある。
 産業支援センターを通じて貸付る小規模企業者等設備資金貸付金は、平成12年度当初予算13億円を産業支援センターに貸付たが、企業者への融資ができなかった8億1,6百万円が、平成12年度中に県に返還になっている。
2.高度化資金貸付金について
 県が行っている高度化資金貸付金の平成12年度末の残高は279億円であるが、そのうち、22億5,100万円が返済期限に返済されておらず、その内容を個別に検討すると、大部分の貸付金について、回収可能性がないと認められる。

3.農業改良資金貸付金

(1)制度の概要

農業経営や暮らしを改善したい農家等に無利息で融資する制度で、生産方式改善資金等がある。

(2)融資の方法

融資及び回収業務は、三重県信用農業協同組合連合会を通じて県内各地の農業協同組合に委託している。また、貸付金の台帳作成は社団法人農業改良資金協会に委託している。

(3)融資の規模

(略)

(4)監査結果

延滞債権のうち、1回当たりの回収金額が少額なため回収期間が著しく長期化している債権がある。

4.林業改善資金

(1)制度の概要

A 林業改善資金

林業経営の改善資金として、日本の林業に携わる個人等に無利子で融資する制度で、林業生産高度化資金等がある。

B 木材産業等高度化推進資金

木材の生産や加工・流通の事業を行う林業事業者に対して融資する制度で、事業経営改善計画に基づく資金等がある。

C 林業就業促進資金

新たに林業に就業しようとする者等に対して、就業研修資金等を融資する制度。

(2)融資の方法

A 林業改善資金

三重県森林組合連合会に貸付及び回収事務を委託して融資を行う。

B 木材産業等高度化推進資金

三重県から金融機関に預託し、金融機関から預託金の3倍から4倍の金額を融資先に貸付を行う。

C 林業就業促進資金

三重県は財団法人三重県農林水産支援センター(以下、農林水産支援センターという)を通じて、無利子で林業就業者等に融資する。

(3)融資の規模

(略)

(4)監査結果

林業改善資金で問題とすべきなのは、連帯保証人の担保能力である。
 連帯保証人の担保能力については、林業改善資金貸付申請書を平成9年度より平成12年度まで閲覧したが、閲覧した範囲では連帯保証人について氏名の記載はあるが、その担保能力についての記載は見出せなかった。

5.沿岸漁業改善資金

(1)制度の概要

沿岸漁業を営む事業者が、操作作業者省力化機器等への設備投資資金を貸付る経営等改善資金等がある。

(2)融資の方法

貸付及び回収業務を、三重県信用漁業協同組合連合会を通じて県内各地の漁業協同組合に委託して行っている。

(3)融資の規模

(略)

(4)監査結果

他の貸付金と比較すれば、問題債権は少ないといえるが、個別に検討すれば、不納欠損処理がなされていない債権が認められたり、一度も返済しないまま破産した債務者がいる。

外部監査人意見

1.小規模企業者等設備資金貸付金の予算計上について

予算と貸付実績の差が平成10年度より顕著となっており、予算の見直しが当然なされるべきであったが、平成12年度まで13億円の一定額で推移している。実態に即した予算計上が必要である。

2.高度化資金貸付金について

高度化資金貸付金の平成12年度末残高は279億円であり、そのうち22億円が返済期日に返済されておらず、その大部分の貸付金について回収可能性がないと認められる。回収可能性がないと認められる債権については、契約に基づく担保権の実行、連帯保証人への請求等適切な法的措置を講じる必要がある。
 県が行う貸付業務に、農林水産関係の貸付金がある。これらは比較的、問題債権が少なく、適切に制度が運営されているように思える。商工関係の貸付制度と、農林水産関係の貸付を比較すると、1.貸付先の業種、2.個々の貸付先の信用力、3.貸付金の限度額、4.貸付先に対するフォロー体制 に違いがあることに気がつく。
 貸付業務は、県が行う業務の中では、とくに、専門的な知識が必要とされる分野であると考える。しかし、貸付業務を行いうる職員が育っていないため、審査等もっとも重要な業務を、外部に委託することになるが、責任の所在が不明確になってしまっている。
 県内の産業の発展に重要な役割のある制度であるので、人事政策をも含めて制度全体を見直す必要があろう。

3.農業改良資金の債権回収について

延滞債権のうち、1回当たりの回収額が少額なため回収期間が著しく長期化している債権について、債務弁済確約書を取り時効中断手続は行っているが、反面、今後の弁済期間を70年あまりとすることとしているが、これは条件を大幅に緩和したことになる。
 定めにより県の行っている融資はすべてこのような緩和措置がとられるのならともかく、平等の原則に大きく反するのではないか。また、連帯保証人より毎月1万円づつ返済するという債務弁済確約書については、現時点での回収可能額を再度調査し、回収金額を増やす努力をすべきである。
 これは、貸付担当者の問題もさることながら、貸付の決定に至るまでのその起案に印を押した数人の県幹部の中で、誰もこの不平等さに気づかなかったのではないか、それが大きな問題であろう。これを契機に県の関係するすべての融資事業について再検討する必要があるのではないか。

4.林業改善資金

林業改善資金貸付判断資料には、数多くの審査、判断項目があるが、連帯保証人の担保能力については調査されていない。
 現時点では不良債権は発生していないが、債権の回収に延滞が生じれば、問題が生じよう。
 今後早急に債務者及び連帯保証人の担保能力について検討する仕組みが必要である。
なお、県の行う融資事業の審査は民間の貸付に比べ緩くするという何らかの理由付があるのならともかく、同等に行っていくのであれば、民間の審査方式を加味することも必要ではないか。

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