条例制定の背景
木材は、室内の湿度を調節するほか、香りや見た目によってストレスを緩和し、免疫力を高めるなど、私たちの暮らしを健康で快適かつ豊かなものにしてくれます。三重県では、健康で快適かつ豊かな暮らしを実現していくために、行政機関や事業者、私たち県民が一緒になって建物や生活の中で「木づかい」に取り組むこととし、「三重の木づかい条例」を制定しました。(令和3年4月1日施行)
条例制定の目的
県民及び事業者の参加の下、木材利用の推進に関する施策を総合的かつ計画的に推進することで、森林の有する多面的機能の持続的な発揮や林業及び木材産業の健全な発展による地域経済の活性化に資するとともに、県民の健康で快適かつ豊かな暮らしの実現に寄与することを目的としています。条例の基本理念
木材利用の推進は、次に掲げる事項を基本理念として行われます。① 県産材を優先的に利用するとともに、森林資源の循環利用を図ることにより、豊かな森林が次世代に継承されるように行われること
② 消費地からできる限り近い地域の森林で生産された木材の利用等を通じ、環境負荷の低減に寄与するよう行われること
③ 木材の経済的価値の向上が図られるよう行われること
④ 木材の優れた特性を生かすとともに、県民や事業者の自発的な取組を推進するよう行われること
⑤ 県、国、市町、事業者等の相互連携及び協力のもと行われること
さまざまな主体の役割
県、森林所有者等、林業事業者、木材産業事業者、建築関係事業者、教育関係者等、県民及び事業者について、木づかいの推進に向け果たすべき役割を規定するとともに、県と市町が協働して取り組むべきことを規定しています。「木づかい」とは
毎日の生活に木製品を取り入れるだけで誰でも手軽に始められるエコ活動。それが「木づかい」です。木づかい=木を使うこと。木を知り・木を使い・木を活かし・森を育む、それは地球環境への「気づかい」に繋がります。三重県の「木づかい」事業者についてはこちら 三重県産材の木製品についてはこちら
木をつかう=環境や社会にやさしい
近年、地球温暖化が世界共通の課題となっていますが、森林は私たちが生活の中で排出する二酸化炭素(CO2)を吸収しています。木は、「光合成」により二酸化炭素を吸収し、炭素(C) を蓄積・固定して成長します。そして木材となり炭素を蓄積・固定し続けます。木材の重量の約半分は炭素であり、木材は炭素を固定した、環境にやさしい資材といえます。木は再生可能な資源です。上手に木を使うことが「持続可能な社会」につながり暮らしを豊かにします。「植えて ▶育てて ▶ 伐って ▶使って▶また植える」という緑の循環は、地球温暖化の防止に加え、地域の活性化や森林の多面的機能の発揮に貢献します。
「木を切ること=森林を守る」 三重の木についてはこちら 公共建築物等への県産材利用事例集