県内29市町の平成22年度普通会計当初予算の概要について
1 予算規模
(1)平成22年度における県内29市町の普通会計の当初予算総額は、6,457億57百万円で、前年度に比べて246億25百万円(4.0%)増であり、2年ぶりの増となっています。これは、地方財政計画の伸率0.5%減と比べ、増となっています。
(2) 骨格予算を編成した5団体(伊勢市、名張市、多気町、玉城町、紀宝町)を除いた24市町では、11市9町がプラス、1市3町がマイナスの予算となっており、当初予算総額は5,651億69百万円で、対前年度比239億65百万円(4.4%)の増となっています。
(3)予算規模の伸率が大きい市町については、桑名市が火葬場建設事業費等により8.6%の増、菰野町が小学校耐震補強事業等により13.0%の増、川越町が富洲原駅地区整備事業等により9.8%の増となっています。
(4)各市町の集計結果は別紙1のとおりです。
(5)予算規模及び主な増減理由は別紙2のとおりです。
2 歳入・歳出の状況(骨格予算の編成団体を除く24市町ベース)
◎歳入の状況
(1)歳入の約41%を占める地方税については、2,325億90百万円で前年度と比べて124億34百万円(5.1%)の減となっています。
税目別の状況については、個人住民税が805億77百万円で前年度より63億11百万円(7.3%)の減で地方財政計画における伸率9.4%減に比べ、減少率は小さくなっており、法人住民税については132億39百万円で39億58百万円(23.0%)の減で地方財政計画における伸率23.5%減と同程度の減少率となっています。
また、固定資産税については1,168億4百万円で前年度より25億75百万円(2.2%)減で、地方財政計画における伸率0.1%減と比べ、減となっています。
(2)地方交付税については、910億16百万円で前年度と比べて74億73百万円(8.9%)の増であり、地方財政計画の伸率6.8%増と比べ、増となっています。
(3)地方債については、542億46百万円で前年度と比べて113億10百万円(26.3%)の増であり、臨時財政対策債等の増により大幅に増となっており、地方財政計画の伸率14.0%増と比べても、増となっています。
(4)その他の歳入は、1,873億17百万円で、対前年度比176億16百万円(10.4%)の増となっています。
主なものは、国庫支出金626億70百万円、都道府県支出金340億24百万円、基金・他会計からの繰入金214億6百万円で、子ども手当の創設によって国庫支出金が201億45百万円増加していることが、その他の歳入の主な増要因となっています。
◎ 歳出の状況
(1)人件費については、1,157億98百万円で前年度と比べて14億17百万円(1.2%)の減であり、地方財政計画の伸率2.0%減と比べ、減少率は小さくなっています。
(2)扶助費については、978億88百万円で前年度と比べて225億71百万円(30.0%)の増であり、子ども手当の創設等により大幅に増となっています。
(3)公債費については、693億27百万円で前年度と比べて20億75百万円(2.9%)の減であり、地方財政計画の伸率0.8%増と比べ、減となっています。
(4)普通建設事業費については、597億66百万円で前年度と比べて21億19百万円(3.7%)の増となっています。
このうち補助事業については、17億11百万円(7.7%)の増であり、地方財政計画の伸率12.6%減と比べ、増となっています。内訳は市が5億51百万円(3.0%)の増、町が11億60百万円(28.3%)の増となっています。
市の増は、
・いなべ市(小学校建設事業費等により4億7百万円、74.9%増)
・志摩市(小学校耐震化事業等により6億43百万円、48.7%増)
の増が影響しています。
町の増は、
・度会町(町営住宅改築事業等により1億86百万円、183.8%増)
・菰野町(小学校耐震補強事業等により7億11百万円、115.3%増)
の増が影響しています。
また、単独事業については、4億8百万円(1.2%)の増であり、地方財政計画の伸率15.0%減と比べ、増となっています。内訳は市が7億81百万円(2.6%)の増、町が3億73百万円(6.9%)の減となっています。
市の増は、
・桑名市(火葬場建設事業等により15億69百万円、123.8%増)
・尾鷲市(清掃工場補修事業等により2億4百万円、114.9%増)
の増が影響しています。
町の減は、
・朝日町(幼保一体化施設建設事業等により2億47百万円、72.0%減)
・明和町(国史跡斎宮跡土地先行取得事業等により3億69百万円、59.1%減)
の減が影響しています。
( 用 語 の 説 明 )
1 普通会計
市町村ごとに各会計の範囲が異なり、財政比較や統一的な把握ができないため地方財政統計上統一的に用いられる会計で、一般的には公営事業会計(※)以外の会計を総合して一つの会計としてまとめたものをいう。
※ 公営事業会計 (a) 水道、病院、下水道などの公営企業会計
(b) 自転車競走、モーターボート競走などの収益事業会計
(c) 国民健康保険事業会計
(d) 介護保険事業会計 等
2 暫定予算
一般的には、通常予算が不成立の場合に行政運営の中断を防ぐため、その成立までのつなぎとして編成される予算をいうが、市町村長の選挙を控えている場合に編成されるものもある。骨格予算同様義務的経費の計上が中心となるが、骨格予算があくまで一会計年度を通しての予算であるのに対して、暫定予算は一会計年度の一定期間のみの予算計上をしたもの。
3 骨格予算
市町村長や議員の選挙時期の関係から、政策的な判断が出来にくい等の事由により政策的経費の予算計上を避け、人件費等義務的経費など必要最小限度の経費を計上する予算。
4 地方財政計画
「内閣は、毎年度所定の事項を記載した翌年度の地方団体の歳入歳出総額の見込額に関する書類を作成し、これを国会に提出するとともに一般に公表しなければならない。」という地方交付税法第7条の規定により作成される計画で、個々の地方公共団体の行財政運営の指針ともなるもの。
29市町一覧(PDFファイル)
過年度データ