第4回小児整形・児童精神合同研修会を開催しました。
テーマ『子どもを地域で育むということ』令和4年7月29日(金)に「子どもを地域で育むということ」と題し、第4回小児整形・児童精神合同研修会を開催しました。当初は三重県総合文化センター中ホールでの開催を計画しておりましたが、7月中旬からの新型コロナウイルス感染急拡大に伴い、当初計画していた討論を中止し、オンラインで講演の配信のみの開催となりました。
当日は、直前の開催方法変更にもかかわらず、教育関係及び医療・福祉・行政関係の方々を中心に、約200人の方にご参加頂きました。参加割合としては、保育園・幼稚園・小・中・高・特別支援学校等の教育機関が38%、県・市町行政機関27%、医療・福祉施設24%、一般その他11%でした。
午前は、重症児・者福祉医療施設ソレイユ川崎リハビリテーション部長の作業療法士 岸本光夫先生から「重症心身障害児にかかわって~楽しく暮らすこと~」と題した講演をいただきました。
講演では、先生の40年間にわたる作業療法士としての実践の中から、ライフステージにおける生活課題に応じた支援の在り方、「遊び」を通じた発達などを具体的な事例を通じてお話いただきました。そして、医療者である前に一人の人間としてどのように当事者に接するのか、対等な人間として共生の理念の下での治療の重要性をお話しいただきました。
【岸本先生】
午後からは、こころとそだちのクリニックむすびめ院長 児童精神科医の田中康雄先生から「子どもを地域で育むということ~僕の「(児童)精神医療」を考える」~と題した講演をいただきました。
講演では、先生の40年間の臨床経験を10年スパンで振り返られ、子どもを地域で育むということは社会全体の中で子どもを見守ることであり、児童精神科医療もその一翼を担う重要な存在である。医療としての関わりに加え、生きることの適応支援として生活全般に対する包括的な支援の在り方が重要であるとのお話をいただきました。
【田中先生】
視聴いただいた参加者からは、「障がいそのものでなく、その生きづらさに着目することの大切さを学んだ」「障がいの重篤さに目が行きがちだが、その人の過ごした時間や日々がどれだけ豊かになったかとの発想に考えさせられた」「地域社会全体で支えることの大切さを再認識した」「40年の現場での取り組みを共有できて良かった」など概ね好意的な感想をいただきましたが、急な開催方法の変更やオンライン開催での技術的課題などへのご指摘もいただきました。今回いただいたご意見を参考に、次年度も皆様に有意義な機会を提供できるよう努力いたします。
今回急な開催方法の変更に際し、多大なるご協力をいただきました関係各位に厚くお礼申し上げます。
第3回小児整形・児童精神合同研修会 開催結果(令和3年7月27日)
第2回小児整形・児童精神合同研修会 開催結果(令和元年7月30日)
第1回小児整形・児童精神合同研修会 開催結果(平成30年7月27日)