第3回小児整形・児童精神合同研修会の開催について
令和2年度は、コロナ感染状況が不透明であったため中止としましたが、令和3年度については、感染対策を講じた上で、令和3年7月27日(火)三重県総合文化センター文化会館中ホールにて、「子どもの『生きる』を考える」と題した研修会を開催しました。当日は、コロナ禍の中、教育関係及び医療・福祉・行政関係の方々を中心に、280名の方にご参加いただきました。参加割合としては、保育園・幼稚園・小・中・高・特別支援学校等の教育機関全体で半数となる50%、県・市町行政機関21%・医療・福祉施設15%、一般その他14%でした。
午前の部は当初の予定を変更し、当センター西村淑子医療部長及び、古川敦発達総合支援部地域支援課長から「ライスステージをみすえた肢体不自由児へのフォロー」をテーマとして講演を行いました。
西村部長 | 古川課長 |
この中で、西村部長からは、脳性麻痺の要因と症状、それに対するリハビリと療法、また地域で生活していく上で家族を含めた様々な継続的な支援の必要性についてお話をいたしました。
また古川課長からは、肢体不自由の子どもの動きにくさの問題、ライフステージとともに変化する体の状況を踏まえ、長期に関わることの必要性とともに、子どもたちの「動くこと」をどう支援していくかについて、調査の結果や実例を交えてお話をいたしました。
午後の部は、網走刑務所・北海道家庭学校樹下庵診療所児童精神科医である富田拓先生に、「出会ってきた子どもたちの人生を考える」のテーマのついてご講演いただきました。
講演では、児童自立支援施設は、入所した子どもたちに家庭的な雰囲気を体験させる場で、心の安全基地としての役割を持つ「夫婦小舎制」の紹介やその役割、時代による入所者の変化と対応等をご自身の経験を踏まえて話しをされるとともに、状況に応じ、本人が望む場合は服薬治療を積極的に捉えてもよいのではないか、というお話をいただきました。
その後、講演をいただいた富田拓先生と当センター中西大介副センター長との間で「生活で子どもたちにかかわるコツ」のテーマで対談を行いました。
対談では、子どもたちに関わっていくには、何かを一緒にやっていくこと自体が大切なことで、必要な対応は誰でも身につけることができる個々の「スキル」と考えていけばいい、というお話や、「子ども同士の関わりの中で、子どもたちが成長していく」という子どもたちには柔軟性があることや、自らを変えていく力を大人が信じて活かしていくことが大事である、というお話がありました。
参加者からは、「動くことの重要性に気づいた。興味の持てるところから始めて、日常生活で困らない動作を習慣化させられるようにしたい」「正解は何かわからないが、先々を見据えて、その時々の最善の策を見つけて実践していくことが大切だと学んだ」「子どもを愛すること、信じること、待つことが大切なことである」等の感想をいただきました。