旬のおさかな情報
No.24 マイワシ 2015年5月11日
マイワシ
マイワシはいろいろな季節に、いろいろな状態のものが漁獲されます。これまでも何度か紹介していますが、今はこれまでとは少し違うおすすめ状態になっています。
マイワシ 南伊勢町贄浦 平成27年5月7日撮影
まき網で漁獲されるマイワシは、少し前までは被鱗体長15㎝程度の小型の産卵群が主体だったのですが、先日から群れが変わったようで、20㎝弱のやや大型の魚になりました。といっても20㎝を超える、いわゆる大羽よりは小さく、1月頃に成熟し、その後姿が見えなくなっていた早生まれの1歳魚と推定されます。腹もやや膨らんでいるようですが、この魚はすでに産卵を終え、餌を食べて太っています。今は餌を食べて体を大きくし、脂肪を蓄える状態と判断されます。
マイワシ 南伊勢町贄浦 平成27年5月7日撮影
この、産卵後に餌を食べて回復し太ったマイワシは、房総あたりでは6月頃に漁獲され、「入梅イワシ」と呼んで重用しています。ちょっと季節は早いのですが、今の熊野灘では、早くに産卵を終えた早生まれの魚がちょうど「入梅イワシ」状態といえます。産卵を終えた「春の終わり」ではなく、「夏の始まり」、すなわち旬の走りともいえるでしょう。この、「旬の先取り」、早生まれから遅生まれまで、多様な由来の魚が出入りする熊野灘ならではの恵みといえるかもしれません。
マイワシ 南伊勢町贄浦 平成27年5月7日撮影
選別後の水槽に、仲買人の方が断面を確認した魚がありましたので撮影してみました。皮と筋肉の間には白い脂肪の層がはっきりと形成されています。鮮度の良いマイワシに脂がのったら鬼に金棒です。刺身に塩焼きの定番料理はもちろん、梅煮(梅干を入れた煮付け)も夏にぴったりのメニューでおすすめです。EPAやコエンザイムQ10も豊富で、アンチエイジング効果も期待できますよ。
(2015年5月11日掲載 企画・資源利用研究課)
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まき網漁業(水産資源課へのリンク)