有効土層の確保
茶園の場合根群域は地下60~100センチメートル程度となり、この範囲までの土壌環境を根群生育に適する環境とすることが必要です。 しかし、実際の基盤造成工事では大型重機による造成作業により下層土が圧密状態になりがちで、そのために天地返し等による圧密層の破壊やその後の一定期間の風化が有効になります。 |
深耕区と圧密区の土壌硬度の比較 |
(1)深層耕による有効土層の確保
造成作業により圧密状態となった土壌を膨軟にし、同時に土壌の理化学性を改善し、有効土層を深層まで確保することが目的です。実施には堆肥等の土壌改良資材を全面に散布し、さらに畑面暗渠の敷設後にバックホウにより埋め戻しながら全面をむらなく深さ1メートル程度の天地返しを繰り返す混層耕を行えると理想的です。 この作業は降雨の少ない秋から冬の間に行い、できるだけ土を風化させて行うと効果的です。また、最近は天地返しと堆肥等土壌改良資材との混和が一回で均一に出来るローターバケットによる混層耕が有効とされています。 |
ロータバケットによる混層耕 |
(2)茶園土壌の改善目標
物理性の改善 | 化学性の改善 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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注意)置換容量20ミリイクイバレント(単位me)未満の土壌では、CaOは100グラムあたり60~100ミリグラムとする。 「茶業全書」静岡県茶業会議所編より |