*帰国後作成した詳細な訪問内容は、ページ下部の関連リンクをご参照ください。
(時刻は現地時間。時差は日本時間に対してマイナス8時間)
スペイン訪問中の鈴木知事は、訪問3日目となる11月8日(金曜日)、モンドラゴン協同組合グループへのトップセールスを行うとともに、自動車インテリジェンスセンター(AIC)及びゲスタンプ社研究開発センターの視察、ITPアエロ社へのトップセールス、ビルバオ・グッゲンハイム美術館の視察を行いました。
1 モンドラゴン協同組合グループへのトップセールス
(1) 日時
令和元年11月8日(金曜日)8時45分から10時30分まで
(2) 場所
モンドラゴン協同組合グループ本部(モンドラゴン市)
(3) 参加者
(相手方)
モンドラゴンインターナショナル オスカル・ゴイティア 会長
バスク自治州経済インフラ省 ハビエル・ザラオナインディア 副大臣 ほか1名
(当方)
鈴木 英敬 三重県知事
竹上 真人 松阪市長
三重県商工会議所連合会 岡本 直之 会長 ほか 計31名
(4) 概要
鈴木知事は、バスク自治州を拠点とする企業連合組織であるモンドラゴン協同組合グループを訪問し、ゴイティア会長やザラオナインディア副大臣と懇談したほか、同行した県内企業が同組合グループ企業に対して行ったセールスプレゼンテーションに出席しました。
会長らとの懇談では、鈴木知事より「昨日、バスク自治州首相と産業交流を進めていくことに合意した。三重県の高い経済成長率を牽引しているのは、県内の高い技術を持った企業群であり、それらは日本の経済を地方で牽引している企業である。今回はこうした多くの県内企業が訪問するので、同グループ企業と県内企業とのマッチングが進み、さらに県内経済が成長できるようにしたい。」と述べました。
これに対して、副大臣から「昨日の首相との面談は非常に良い雰囲気の中で行われた。モンドラゴングループとバスク自治州は緊密な連携を取っており、また常に先端技術を取り入れ、海外にもいつも目を向けている。」と応えました。
ゴイティア会長からは、「先月、三重県を含む中部地域に渡航する予定であったが、残念ながら渡航できなかったため、来年には是非皆様の地域に訪問したい。」と述べ、鈴木知事も「来年と言わず、なるべく早くお越しいただきたい。」と述べました。
次に、セールスプレゼンテーションに当たり、冒頭、鈴木知事から、「会長を表敬訪問させていただく機会を作っていただき感謝している。また、昨日はバスク自治州のウルクイル首相と面談し、自動車、航空宇宙、工作機械など製造業に関して、双方が連携して産業交流を進めていくことで合意した。三重県は一人当たりの製造出荷額で全国第2位、観測可能な直近の経済成長率も47都道府県で第2位となっている。その成長を支える会社が、本日、三重県から来ており、コミュニケーションがさらに促進され、ビジネスの機会が生まれることを期待している。」と挨拶をしました。
副大臣の挨拶では、「今回の皆様のバスク自治州への渡航がさらなるビジネス機会へ繋がることを願っている。私たちにとって、モンドラゴンの企業体制こそが最も重要で模範となるものであると思っている。モンドラゴン協同組合は、競争力と品質を大切にしていることに加えて、長期的な信頼関係も大切にしている。また、社会貢献や全員参加の連帯感に価値を見出している。」と述べました。
これに続き、三重県雇用経済部長から県内の投資環境に関し、また県内の製造業3社(株式会社一志精工電機、サンユー技研工業株式会社、フタバ電子工業株式会社)からも自社の技術をPRするプレゼンテーションを行いました。
その後、三重県から訪問した企業とモンドラゴングループ企業との交流会では、今後のビジネス交流に向けたネットワーキングが図られました。
2 自動車インテリジェンスセンター(AIC)訪問
(1) 日時
令和元年11月8日(金曜日)11時30分から12時45分まで
(2) 場所
自動車インテリジェンスセンター(AIC)(ビスカヤ県)
(3) 参加者
(相手方)
AIC イネス・アニトゥア CEO(最高経営責任者)
(当方)
鈴木 英敬 三重県知事
竹上 真人 松阪市長
三重県商工会議所連合会 岡本 直之 会長 ほか 計33名
(4) 概要
ゲスタンプ社をはじめとする300社が加盟する「バスク自動車産業クラスター(ACICAE/アシカエ)」が、企業間のオープンイノベーションを促進するために設立した「自動車インテリジェンスセンター(AIC)」を県内企業とともに訪問し、研究開発の状況や支援体制を視察しました。
鈴木知事は挨拶において、「日本とスペインが自動車大国という点だけでなく、三重には自動車関連企業がたくさんあるという点においても、世界唯一の自動車のオープンイノベーションを促進する機関であるAICを訪問させていただくことは光栄である。バスク自治州のオープンイノベーションに関しては、昨日、食の分野でヌエバ・コッシーナの事例を通しても垣間見ることができた。」と発言しました。
AICのイネス・アニトゥアCEOからは、「昨年ゲスタンプ社が松阪市に生産拠点をオープンさせた際に三重県を訪問しており、今度は三重から鈴木知事をはじめ皆様をお迎えできたことを嬉しく思う。バスク自動車産業クラスターとしては、何十年も前から日本の自動車産業の動向に関心を寄せていた。また、現在では、メキシコ、インド、中国といった国々に進出しており、その際の日本企業との協力が我々の関係を深めている一因である。今回のご訪問を通じて協力関係をますます促進させたい。」と述べました。
この後、一行はAIC職員の案内で施設を視察しました。
なお、AIC訪問の後、ゲスタンプ社を訪問し、その後AICロビーで開催された立食ランチミーティングに参加し、三重県から訪問した企業とAIC入居企業との交流を行いました。
3 ゲスタンプ社研究開発センター視察
(1) 日時
令和元年11月8日(金曜日)12時45分から14時00分まで
(2) 場所
自動車インテリジェンスセンター内・ゲスタンプ社研究開発センター(ビスカヤ県)
(3) 参加者
(相手方)
ゲスタンプ社 フランシスコ・ロペス CEO ほか
(当方)
鈴木 英敬 三重県知事
竹上 真人 松阪市長
三重県商工会議所連合会 岡本 直之 会長 ほか 計33名
(4) 概要
ゲスタンプ社の研究開発センターを訪問し、松阪市長から追加投資にかかるプレゼンテーションするとともに施設見学を行いました。
ロペスCEOは、「このような短期間の中で関係者間で相互に訪問が実現できたのは、バスク自治州政府と三重県行政のサポートがあったからである。また、松阪工場の人材確保においても行政のサポートがあったことで三重県内での立地を実現できた。加えて、操業時に補助金をいただいたことも大変助かった。松阪工場は長期に渡って操業を続けるつもりである。バスク自治州と三重県との関係が末永く続くことを願っている。」と述べました。
それを受けて、鈴木知事から「昨日、バスク自治州首相とお会いし、昨年のMOUの締結に続き、産業交流を具体的に促進していこうと合意した。また、新たな要素として、東名阪道の渋滞が第二名神自動車道の開通により軽減され、物流コストを下げることができる環境が整っている。」と発言し県内への追加投資を呼びかけました。
4 ITP アエロ社へのトップセールス
(1) 日時
令和元年11月8日(金曜日)15時30分から17時15分まで
(2) 場所
ITP アエロ社(ビスカヤ県)
(3) 参加者
(相手方)
ITP アエロ社 カルロス・アルゾラ CEO
(当方)
鈴木 英敬 三重県知事
竹上 真人 松阪市長 ほか 計35名
(4) 概要
ロールスロイス社の子会社でエアバスに航空機用エンジンを供給しているITPアエロ社を訪問し、三重県の航空宇宙産業との連携を促進するトップセールスを行いました。
冒頭に三重県職員から県内の投資環境に関する説明を行ったのち、竹上松阪市長から松阪航空クラスターに関するプレゼンテーションを行いました。その後、県内企業からは自社技術をPRするプレゼンテーションを行い、新たな商取引を開拓する提案を行いました。
5 ビルバオ・グッゲンハイム美術館視察
(1) 日時
令和元年11月8日(金曜日)17時45分から19時30分まで
(2) 場所
ビルバオ・グッゲンハイム美術館(ビルバオ市)
(3) 参加者
(相手方)
バスク自治州貿易・投資振興会 ミケル・ザラオナインディア プロジェクトマネージャー
(当方)
鈴木 英敬 三重県知事
三重県商工会議所連合会 岡本 直之 会長 ほか 計16名
(4) 概要
重工業が衰退し不況に陥っていた炭鉱、造船の街を、芸術を核としたまちづくりによって再生させたビルバオ市の取組を視察するため、ビルバオ・グッゲンハイム美術館を訪問し、クリエイティブ・シティ(※)について学びました。
(※)クリエイティブ・シティとは、「芸術や文化の創造性を生かした都市再生の試み」を認定するユネスコの仕組み。