明日のためのイカナゴ資源管理
伊勢湾のイカナゴ漁業の現状を知る
伊勢湾のイカナゴは主に三重・愛知両県の約250ヶ統のバッチ網・船曳網船団によって、シラス期~未成魚期(3~5月、体長35~80㎜)に漁獲され、1漁期当たりの漁獲量は500~25,700トン、漁獲金額は3~29億円に及びます(表1)。
同時期の伊勢湾には他魚種の来遊も少ないことから、イカナゴ漁業は基幹漁業として経営上重要な役割を担っています。一方、湾口部に位置する神島、答志島では、船曳網及びすくい網によって、少量ながら産卵後の親魚(1~2月、体長7~13㎝)も漁獲しています。
シラスは釜揚げ、チリメンなどの加工用として、未成魚は主に魚類養殖餌料として、親魚は釜揚げ加工用として利用されています。
伊勢湾のイカナゴ漁業ではシラス期の漁獲圧が極めて高く、この時期のみで新たに加入した資源の90%前後が漁獲されます。従って、短期決戦型の効率のよい漁業である反面、乱獲に陥りやすい漁業でもあると言えます。