1 日時 令和4年12月20日(火)19時00分から21時00分まで
2 場所 伊勢庁舎401会議室
3 概要
伊勢志摩地域の中学生・保護者へのアンケート結果を共有して意見交換するとともに、15年先をみす
えた県立高校の学びと配置のあり方に関する考え方やアンケート結果など、これまで協議してきた内容を
ふまえ、令和6年度に想定される県立高校の学級減への対応について、協議しました。
<主な意見>
(アンケート結果について)
〇 1学年1~2学級規模への高校への進学を望む中学生が4分の1程度いることから、きめ細かな教育を
行う小規模な高校の存在価値もあるのではないか。
〇 生徒数が多いと切磋琢磨できる機会が増えるが、少ないときめ細かな教育を提供しやすくなる。少人数
の小中学校が多い南伊勢町と大紀町では1~2学級規模の高校を選択する割合が高いが、これは小規模な
学校におけるきめ細かな教育を子どもたちが肯定的にとらえているからではないか。
〇 中学生や保護者の多くが望んでいる社会性や協調性などの育成については、少人数の中でもある程度可
能ではあるものの、多くの人々との出会いがある中で学ぶことも重要である。
〇 少人数の学校に在籍している中学生は大きい規模の高校に不安を感じるから、安心感のある小規模な高
校を選択しているのではないか。今後の少子化が進行していく中では、小規模な高校の良さだけで高校を
存続させることはできず、7割以上の中学生が3学級以上の高校を望んでいることや、6割以上の保護者
が高校統合の方向性を選択していることから考えても、地域の高校を統合していくことは避けられないの
ではないか。
〇 各市町別の通学時間の回答状況からは、伊勢市内の高校への通学を想定して回答している様子がうかが
える。
〇 保護者の負担軽減は必要であるものの、1時間の通学時間は、高校生にとって十分に許容できる範囲で
はないか。
〇 学力的、経済的にさまざまな背景を持つ生徒・保護者もいるため、アンケートでの割合が低い回答も考
慮する必要がある。
〇 アンケート結果からわかる子どもたちの多様な学習ニーズを大切にしていきたい。この地域の県立高校
には多様な学びの選択肢をできるかぎり確保していくことが必要だと再認識した。
〇 アンケート結果については、「高校にどのような教育を期待するか」と「何学級規模が望ましいか」の
クロス集計など他の視点からの分析もあるとよい。
〇 中学生へのアンケートからは小規模な学校を望む意識もあることがわかる。今後、生徒の減少がさらに
進む中では、高校でも2~3学級規模が標準的な規模になるのではないか。このアンケート結果に加え、
高校への入学者の状況等を客観的な数値で分析し、これからの高校のあり方を検討していく必要がある。
(令和6年度に想定される当地域の県立高校の学級減への対応の方向性について)
〇 高校の統合については、今後の生徒減をみすえて計画的に進めていく必要がある。
〇 これまでの協議会での議論から考えると、令和6年度、8年度、10年度に見込まれる生徒減に関して
は、いずれかの時期には一定の統合が必要という共通の認識ができている。
〇 令和6年度については、どこの高校を統合するのかという議論は難しいため、できる限り統合ではなく
学級減での対応を基本とすることが望ましい。
〇 鳥羽・志摩・度会地域の2学級の高校を1学級にして学びを維持できるのか、1学級にできなければ伊
勢市内の高校の学級を減らすことができるのか、といった個別具体的な議論をする必要がある。
(今後の地域の高校のあり方を検討するにあたって大切なことについて)
〇 鳥羽・志摩・度会地域の1学級になった高校をどうしていくのか、当地域には私立高校が2校あること
もみすえて伊勢市内の普通科高校をどう再編していくのか、伊勢市内の専門学科の学びをどう確保してい
くのかという3点について、今後並行して検討しなければならない。
〇 今後の議論にあたっては、私立高校や国立高専の状況を考えると、15年先には18~21学級ではな
く、さらに少ない学級数も想定しながら議論を進める必要があるのではないか。
〇 社会の変革が進む中で子どもたちの学習ニーズに対応するため、1学級あたりの人数を変えたり、規模
の違う学校間をオンラインでつないで探究的な授業をしたりするなど、新しい学びができるよう様々な工
夫が必要ではないか。
〇 これからの高校では、社会への適応を苦手とする生徒などにきめ細かな教育をすることが求められる。
〇 生徒の減少が続く中、地域の私立高校や国立高専は様々な改革をして魅力化に取り組んでいる。県立高
校は多様な学びや専門性に特化した学びによる活性化を検討していくとともに、地域の中学生や保護者に
対し、より一層効果的にその魅力を伝えていく必要がある。
〇 東北地方での災害ボランティア活動に参加した経験から考えると、高校の統合を検討していく際には、
地震や津波の発生時における校舎の安全性についても考慮する必要がある。
〇 通信制課程の学びを選択する高校生が増えていることから考えると、これからの高校には通信制を活用
した個別最適な学びの提供という視点も重要である。
4 今後の予定
15年先を見据えた地域の高校の学びと配置のあり方や、その途上となる令和6年度の4学級減への対
応等について、2月に予定されている今年度最終の協議会で更に議論を深め、協議会の意見をまとめてい
く予定です。