子ども食品衛生教室
高学年「食中毒とは」
(指導者用はこちら)
細菌(さいきん)の特徴(とくちょう)
食中毒を起こす細菌(さいきん)には、増(ふ)える条件(じょうけん)があります。
- 温度―あたたかいと増(ふ)えやすくなります。
- 水分―細菌(さいきん)が生きていくには、必要なものです。
- 栄養―栄養分(食べ物)があると、どんどん増(ふ)えていきます。
温度、湿度(しつど)、栄養が最適(さいてき)であれば、次のように増(ふ)えます。
細菌(さいきん)の大きさはどのくらい?
目には、見えない大きさです。
見るには、顕微鏡(けんびきょう)が必要です。大きさは、細菌(さいきん)の種類によっても違いは、ありますが1μm(1マイクロメートル:1mmの1000分の1)くらいの大きさです。
細菌(さいきん)の種類は?
腸炎(ちょうえん)ビブリオ
特徴(とくちょう):
海にひそんでいる細菌(さいきん)で、海の水を好(この)む性質があります。
海の水の温度(おんど)が上がる夏に集中して発生しています。
原因食品:
魚(さかな)や貝(かい)などの海産物が原因(げんいん)になります。
症状(しょうじょう):
下痢(げり)、腹痛(ふくつう)、吐気(はきけ)
予防(よぼう):
魚介類(ぎょかいるい)は、できるだけ加熱して食べましょう。
真水(まみず)に弱いので、調理をするときは、水道の水で十分洗いましょう。
調理後のまな板、包丁(ほうちょう)などの消毒を忘(わす)れずにしましょう。
生でたべる場合は、できるだけ早く食べましょう。
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サルモネラ
特徴(とくちょう):
ペットからうつることもあります。
原因食品:
牛(うし)や豚(ぶた)、鶏(にわとり)などの肉や、最近は卵(たまご)
や卵(たまご)加工品(かこうひん)による発生が多く見られます。
症状(しょうじょう):
腹痛(ふくつう)や発熱(はつねつ)、下痢(げり)、吐気(はきけ)など、
かぜの症状(しょうじょう)に似ています。
予防(よぼう):
卵(たまご)は割ったあとはすぐ調理(ちょうり)しましょう。
ペットなどにさわったら手を洗いましょう。
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黄色(おうしょく)ブドウ球菌(きゅうきん)
特徴(とくちょう):
健康な人のヒフや髪(かみ)の毛の中にもいる細菌(さいきん)で、手や
指(ゆび)などの傷(きず)のあるところにたくさんいます。
また、増(ふ)えるときに加熱に強い毒素(どくそ)(エンテロトキシン)
をつくります。
原因食品:
手作り食品(おにぎり・サンドイッチ・ケーキ・弁当(べんとう)など
症状(しょうじょう):
短かい時間で激(はげ)しい嘔吐(おうと)をおこします。
その他、腹痛(ふくつう)、下痢(げり)があります。
予防(よぼう):
調理した人の手から、菌(きん)がうつって食中毒をおこすことが多い
のでしっかり手をあら洗いましょう。
手に傷(きず)がある時は、素手(すで)で食べ物にさわらないように
しましょう。
弁当(べんとう)などは、できるだけ早く食べましょう。
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腸管(ちょうかん)出血性(しゅっけつせい) 大腸菌(だいちょうきん) O-157
特徴(とくちょう):
O―157は、ベロ毒素(どくそ)という強い毒をつくります。
牛などの家畜の腸の中にいることがある菌(きん)で、少ない菌(きん)の
数(かず)でも食中毒を起こします。
原因食品:
牛肉についていることがあります。ハンバーグ、ローストビーフ、
生やけの肉など。
症状(しょうじょう):
腹痛(ふくつう)、下痢(げり)、ひどい時には、けいれんなどを起こし
死亡(しぼう)することもあります。
予防(よぼう):
生の肉や生レバーを食べないようにしましょう。
食材(しょくざい)はよく洗(あら)い、十分加熱(中心温度が75℃以上で
1分以上の加熱)しましょう。
井戸水(いどみず)などは、生のまま飲まないようにしましょう。
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もし食中毒になってしまったらどうしたらいいの?
かぜやほかの病気とまちがえることがありますので、注意しましょう!
はじめ、病気の程度が軽くても急に悪くなることがありますので、早めに病院へ行ってお医者さんにみてもらってください。
お医者さんには、次のことを伝えましょう。
□ いつごろ体調(たいちょう)が悪くなったか
□ どんな具合か
□ 何を食べたか
いざという時の応急(おうきゅう)処置(しょち)
□ 水分を多くとって、脱水(だっすい)症状(しょうじょう)にならないようにしましょう。
□ あまり、胃や腸を刺激(しげき)しないように、ぬるいお茶などを飲みましょう。
□ 安静(あんせい)にしましょう
□ 消化しやすいものを食べるようにしましょう。