本教材の特徴およびコンセプト
教材作成にあたり,学校教育現場等15人の方々による作成委員会を設置し,また,3人の大学の先生方に監修していただきました。
(1)作成にあたっての基本姿勢
人権課題の解決をめざすことはもちろんのこと,人権尊重の理念がすべての学校においてその中心に位置づき,子どもたち一人ひとりが,自分の大切さとともに他の人の大切さを認めることができるような教材をめざしました。
(2)教材の内容について
本教材は,「三重県人権教育基本方針」で提示されている様々な人権課題を主な柱としました。
すなわち,以下の人権課題の記述を中心に構成されています。
- 部落差別を解消する教育
- 子どもの人権に係わる教育
- 女性の人権に係わる教育
- 障害者の人権に係わる教育
- 高齢者の人権に係わる教育
- 外国人の人権に係わる教育
- アイヌの人々の人権に係わる教育
- 患者の人権に係わる教育
また,「世界の人権確立のあゆみ」や「インターネットと人権」についても記述しました。
そして,人権に係わるコラムもあわせて掲載しています。さらに,資料として,「世界人権年表」「日本人権年表」「世界人権宣言」「あらゆる形態の人種差別撤廃に関する国際条約」「児童の権利に関する条約」「日本国憲法」「人権が尊重される三重をつくる条例」「三重県人権教育基本方針」を掲載しています。
(3)教材の構成について
各学校の実情や生徒の実態に応じて,どの人権課題からでも学習をスタートできるように,各人権課題を分野別に構成しました。
各分野における構成は,基礎的・基本的な「知識・理解」だけでなく,その人権課題について考えたり,話し合ったり,自らの生き方を問い直したりできるような「人との出会い」を配置するよう工夫し,また,各分野ごとに中心となる設問をいくつか設けました。
(「各教材の目標一覧」)
(4)子どもにつけたい力
めざす教材は,子ども一人ひとりが,様々な人権問題に対する正しい知識を身につけ,物事を科学的に認識し,差別をなくそうとする姿勢や態度,スキルを身につけることを通して,自己実現を図るものでなければならないと考えました。
そこで,子ども一人ひとりにつけたい力として,「知識・理解」「スキル」「姿勢・態度」の育成を本教材の大きな目標としています。これらの領域は,相互に関係し合いながら,それぞれの力を高め合い,子どもたちの自己実現へとつながっていきます。
(「3領域について)