介護職員処遇改善加算関係(平成26年度分まで)
1 介護職員処遇改善加算とは
平成23年度まで実施されていた介護職員処遇改善交付金による賃金改善の効果を継続する観点から、当該交付金を円滑に介護報酬 に移行し、当該交付金の対象であった介護サービスに従事する介護職員の賃金改善に充てることを目的とし、例外的かつ経過的な取り扱いとして、平成27年3月31日までの間、介護職員処遇改善加算が創設されたところです。
このため、当該交付金の交付を受けていた介護サービス事業者は、原則として当該交付金による賃金改善の水準を維持することが求められています。
2 介護職員処遇改善加算の算定基準・仕組み
(1)算定の基準 ※①~⑥は必須
① 介護職員の賃金(退職手当を除く。)の改善(以下「賃金改善」という。)に要する費用の見込額が介護職員処遇改善加算の算定見込額を上回る賃金改善に関する計画を策定し、当該計画に基づき適切な措置を講じていること。
② 当該事業者において、①の賃金改善に関する計画、当該計画に係る実施期間及び実施方法その他の介護職員の処遇改善の計画等を記載した介護職員処遇改善計画書を作成し、すべての介護職員に周知し、各指定権者に届け出ていること。
③ 介護職員処遇改善加算の算定額に相当する賃金改善を実施すること。
④ 当該事業所において、事業年度ごとに介護職員の処遇改善に関する実績報告書を指定権者に報告すること。
⑤ 算定日が属する月の前12月間において、労働基準法、労働者災害補償保険法、最低賃金法、労働安全衛生法、雇用保険法その他の労働に関する法令に違反し、罰金刑以上の刑に処せられていないこと。
⑥ 当該事業所において、労働保険料の納付が適正に行われていること。
⑦ 〔キャリアパス要件〕
次に掲げる基準【Ⅰ】、【Ⅱ】のいずれかの基準に適合すること。
【Ⅰ】次に掲げる要件のすべてに適合すること。
a 介護職員に任用の際における職責又は職務内容等の要件(介護職員の賃金に関するものを含む。)を定めていること。
b aの要件について書面をもって作成し、すべての介護職員に周知していること。
【Ⅱ】次に掲げる要件のすべてに適合すること。
a 介護職員の資質向上の支援に関する計画を策定し、当該計画に係る研修の実施又は研修の機会を確保していること。
b aについての、すべての介護職員に周知していること。
⑧ 〔定量的要件〕
平成20年10月から②の届出の日の属する月の前月までに実施した介護職員の処遇改善の内容(賃金改善に関するものを除く。)及び当該介護職員の処遇改善に要した費用をすべての介護職員に周知していること。
(2)加算の種類
・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)・・・所定単位数にサービス別加算率を乗じた単位数で算定
※上記1の①~⑧のすべての基準を満たすこと。
・介護職員処遇改善加算(Ⅱ)・・・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)の90/100
※上記1の①~⑥のすべての基準を満たし、かつ⑦又は⑧のいずれかの基準を満たすこと。
・介護職員処遇改善加算(Ⅲ)・・・介護職員処遇改善加算(Ⅰ)の80/100
※上記1の①~⑥の基準を満たすこと。
※サービス別加算率表
(介護職員処遇改善交付金における交付率と同率です。)
(3)賃金改善の内容
加算の算定額に相当する介護職員の賃金(退職手当を除く。)の改善のこと。
①賃金改善の項目・・・増額若しくは新設した(予定も含む。)給与項目(基本給、手当、賞与又は一時金等)のうちから対象となる賃金項目を特定し、実施する。
②比較する賃金水準・・・当該加算による改善分がないと仮定した平成24年度の介護職員の賃金水準
(4)対象となる職種
人員基準に基づきカウントされる介護職員のみ(常勤、非常勤を問わない)。
(5)賃金改善実施期間
各事業年度(原則各年4月~翌年3月)までの連続する期間とし、当該期間の月数は加算の対象月数を越えてはならない。(最長12ケ月)実際に介護職員に対し賃金を支給した月のことであり、賃金の支払いが月末締めの場合、この「翌月」が賃金改善実施期間の中に入っていること。
※平成24年度介護職員処遇改善交付金を申請している事業者は、賃金改善実施期間の設定について特例がありますので、厚生労働省Q&Aをご確認ください。
(参考)賃金改善実施期間の設定について
(6)介護職員処遇改善計画書の作成単位(提出単位)
原則、サービス事業所(サービス別)ごとの作成とする。→「事業所単位」
特例として、次のような場合は複数のサービス事業所を一括して作成することができる。→「法人単位」
この場合は、必ず事業所一覧表を添付すること。
- サービス事業所を複数有する事業者(法人に限る。)である場合。
- サービス事業所ごとの届出が実態に鑑み適当でない場合。
- 同一の就業規則により運営されている場合。(地域ごとやサービスごとに作成することができる。)
- 都道府県等の県域を越えて所在するサービス事業所を複数有する事業者(法人に限る。)である場合。
3 介護職員処遇改善加算の算定の届出
本加算を算定する場合、その他の加算と同様に「介護給付費算定に係る体制等に関する届出」を行う必要があります。
また、これに加え当該年度における介護職員の方々への賃金改善等の処遇改善内容に係る「介護職員処遇改善計画等に係る届出」についても届出が必要です。
本加算を算定する場合は、必ずこれらの届出を行ってください。
※「介護給付費算定に係る体制等に関する届出」は、新たに加算を算定する場合又は加算の種類(加算Ⅱ→加算Ⅰ等)が変更となった場合に必要です。
したがって、前年度に当該届出が済んでおり、既に事業所の体制が「当該加算あり」となっている場合は届出不要です。
※但し、「介護職員処遇改善計画等に係る届出」は、毎年度行う必要がありますのでお間違いの無いようご注意ください。
(1)「介護給付費算定に係る体制等に関する届出」
居宅サービス ※(介護予防)短期入所サービス及び (介護予防)特定施設サービスを除く |
施設サービス (介護予防)短期入所サービス (介護予防)特定施設サービス |
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届出 期限 |
加算算定月の前月15日まで |
加算算定月の初日まで |
届出 書類 |
①介護給付費算定に係る体制等に関する届出書 ②介護給付費算定に係る体制等状況一覧表 |
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届出先 | 事業所の所在地を所管する県の保健所又は福祉事務所 | |
届出 部数 |
2部 |
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備考 |
前年度から、当該加算を算定している場合(=当該加算に係る体制等の届出が済んでいる場合)は本届出は不要です。 但し、この場合であっても下記(2)に係る届出は毎年度必要です。 |
(2)「介護職員処遇改善計画等に係る届出」
事業所単位(サービス事業所ごと)に介護職員処遇改善計画書を作成する場合 |
法人単位(複数事業所を一括)で介護職員処遇改善計画書を作成する場合 |
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届出期限 |
加算算定月の前々月末日まで ※H26.4月から算定しようとする場合の提出期限は、H26.2末日までとなります。 |
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届出 書類 |
①介護職員処遇改善加算届出書(別紙様式3) ②介護職員処遇改善計画書(別紙様式2) ③キャリアパス要件等届出書(別紙様式6) ④労働法規遵守に関する誓約書 ⑤労働保険に加入していることがわかる書類の写し(労働保険保険関係成立届等の納入証明書の写し等) ⑥就業規則 ⑦給与規程 ⑧チェックシート
※①、②、④、⑤、⑧は提出必須。 ※③は、加算Ⅰ及び加算Ⅱを届け出る場合は提出必須。 ※⑥は、労働基準法の規定に基づき作成義務のある場合提出必須。 ※⑦は、就業規則とは別に当該規程を定めている場合は提出必須。
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①介護職員処遇改善加算届出書(別紙様式4) ②介護職員処遇改善計画書(別紙様式2) ③キャリアパス要件等届出書(別紙様式6) ④労働法規遵守に関する誓約書 ⑤事業所一覧表(別紙様式添付資料1) ※他の指定権者の分を含む三重県内の事業所を記載すること。 ⑥都道府県状況一覧(別紙様式2添付資料2) ⑦市町村一覧表(別紙様式2添付資料3) ⑧労働保険に加入していることがわかる書類の写し(労働保険保険関係成立届等の納入証明書の写し等) ⑨就業規則 ⑩給与規程 ⑪チェックシート
※①、②、④、⑤、⑧、⑪は提出必須。 ※③は、加算Ⅰ及び加算Ⅱを届け出る場合は提出必須。 ※⑥は、届出の中に他都道府県所在の事業者が含まれる場合は添付必須。 ※⑦は、届出に、県指定の事業所(居宅サービス事業所)と市町指定の事業所(地域密着型サービス事業所)の両方が含まれている場合は添付必須。県指定の事業所のみの場合は添付不要。 ※⑨は、労働基準法の規定に基づき作成義務のある場合提出必須。 ※⑩は、就業規則とは別に当該規程を定めている場合は提出必須。 |
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記載例 |
事業所単位(サービス事業所ごと)で作成する場合 | 法人単位(複数事業所を一括)で作成する場合 | ||
届出先 |
各指定権者 (県指定分は、県の保健所又は福祉事務所) |
事業所が関係する全ての指定権者 (県指定分は、県の保健所又は福祉事務所) |
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参考 | ||||
届出 部数 |
2部 |
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備考 |
※届出書類のうち、以下の書類については、すでに提出しており、かつ内容に変更がない場合には、提出を省略できます。 ・キャリアパス要件等届出書(別紙様式6) ・労働保険に加入していることがわかる書類の写し(労働保険保険関係成立届等の納入証明書の写し等) ・就業規則 ・給与規程 |
4 介護職員処遇改善実績報告書の提出
各事業年度における最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日までに、介護職員処遇改善実績報告書を提出する必要があります。
例えば、 加算を算定する最後のサービス提供月が3月の場合、5月支払いとなるため、2か月後の7月末日までとなります。
平成26年度介護職員処遇改善実績報告書は、平成27年7月31日(金)までにご提出ください!!
※当該加算が算定できる要件は、賃金改善額が当該加算による収入額を上回ることであり、これが下回ることは想定されていません。この点を十分考慮し、返還が生じることのないよう計画的な賃金改善を実施してください。
概 要 |
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報告期限 |
各事業年度における最終の加算の支払いがあった月の翌々月の末日まで |
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報告 書類 |
①介護職員処遇改善実績報告書 ②介護職員処遇改善実績報告書(事業所一覧表) ※②は、他の指定権者の分を含む三重県内の事業所を記載すること。 ③介護職員処遇改善実績報告書(都道府県状況一覧)及び(市町村一覧表) ※県内外の複数の指定権者をまたがる場合は、適宜、添付すること。 ④賃金改善所要額の根拠となる資料(任意様式で可) ※参考様式を掲載しますが、任意様式でもさしつかえありません。 |
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報告先 | ||||
報告 部数 |
2部 |
5 介護職員処遇改善加算の算定方法及び介護給付費明細書記載例
介護職員処遇改善加算は、サービス別の基本サービス費に各種加算減算を加えた一月あたりの総単位数にサービス別加算率を乗じて単位数で算定することとし、当該加算は、区分支給限度基準額の算定対象から除外されます。また、他の加算と同様に利用者の1割負担が発生します。
サービス区分ごとの加算率については、こちらを参照してください。
また、介護給付費明細書記載例は、こちらを参考としてください。