旬のおさかな情報
No.25 イサキ 2015年5月21日
イサキ
旬を迎えたイサキ。量は多くはありませんが、文句なしの魚体が定置網などで水揚げされています。
イサキ 標準体長23㎝ 南伊勢町奈屋浦 平成27年5月15日撮影
イサキの産卵期は初夏で、産卵前の今が旬です。5月に入って、まるまるとした大ぶりの個体を見かけるようになりました。近年では、旬の時期にまとまって漁獲されることが少ない一方、周年見かけるようになっていますが、やはり今が一番おいしそうに見える気がします。
イサキ 南伊勢町奈屋浦 平成27年5月15日撮影
ところで、今年の海況の特徴として、2月、3月には黒潮からの暖水波及によって比較的高水温傾向がみられた一方で、4月、5月には黒潮からの暖水がみられなくなり、中層や底層で低水温傾向となっています。つまり、海の中、特に中層以深にすむ魚にとって、春は早くにやってきて、長く続いているといえる状態です。今年はゴマサバの成熟期間が長く、ブリのまとまった漁獲も遅くまで続いているようで、その海況の影響を受けている可能性が考えられます。そして、この先も低水温基調であることが予想されています。例年、イサキの旬は水温上昇期にあたり、短く過ぎ去ってしまうのですが、ひょっとするとこの海況によって、熊野灘でのイサキの旬が長引くかもしれません。
イサキは比較的柔らかめの白身で、とてもやさしい味わいを持っています。お刺身や塩焼きなど、繊細な素材の風味を直接楽しむ料理がおすすめで、骨の旨みを楽しむ汁物や煮付けも大変美味しいものです。一方、鍛冶屋殺しの異名をとるように、骨は鋭く、固いので要注意。十分に気を付けて、隅々まで味わい尽くしていただきたい魚です。
(2015年5月21日掲載 企画・資源利用研究課)
イサキの料理紹介(たたき、あらの味噌汁など)
定置網漁業(水産資源課へのリンク)