旬のおさかな情報
No.20 サンマ 2014年12月26日
サンマ
サンマ 尾叉長約30㎝ 南伊勢町贄浦 平成26年12月24日撮影
大型のゴマサバは、たった1週間で姿を消し、今は小型のゴマサバにマイワシの大中小がまき網で漁獲されています。その中で、サンマが目に留まりました。
サンマ 南伊勢町贄浦 平成26年12月24日撮影
熊野灘のサンマは、道東から房総にかけての海域を南下する群の一部が来遊すると考えられるものの、秋の三陸サンマが豊漁であっても熊野灘もそうとは限りません。したがって、いつ来るか、どのような個体が来るのか、毎年気になっているところですが、やっぱりよく分かりません。ひょっとすると、サンマには熊野灘まで来なければならない理由がないのかもしれないと考えているところです。
さて、今年はサンマの群れは比較的早くから南下しているようで、先日はまき網船がゴマサバやマイワシをとっている近くでサンマを狙う棒受け網船も操業していたそうですから、今、熊野灘ではこれらの魚が同じ場所に集まっているようです。サンマはまき網では混じる程度ですが、専門に狙う棒受け網では量も結構まとまっているとのこと。
熊野灘のサンマは脂が抜けて干物や寿司などの加工に適しており、サンマの丸干し風景は熊野の冬の風物詩にもなっています。今年のサンマは大きいものが多いような気がしますし、近くで獲れれば加工するまでの鮮度が良く、製品の質も良好であることが期待されます。また、「絵」的にもよい条件だと思われます。この冬は熊野へ出かけて、目や舌でサンマの丸干しやお寿司を楽しむというのはいかがでしょうか。脂の抜けた魚も、なるほど旨いものだ、と納得し、あわせて先人たちの加工の知恵というのも本当に素晴らしいと感じていただけるでしょう。
(2014年12月26日掲載 企画・資源利用研究課)
棒受け網漁業(水産資源課へのリンク)