旬のおさかな情報
トラフグ
トラフグ おさかな図鑑より
早いもので、今年も10月になり、トラフグのシーズンとなりました。トラフグは最も値段の高い魚の一つであり、何より内臓に毒を持つ魚で、プロに処理をお願いしないと魚屋さんで買うこともできません。普通は専門店に出かけ、めったにないごちそうとして食べる魚と言えるのではないでしょうか。
さて、ふぐといえば下関が有名ですが、三重県では伊勢湾口部に位置し、もっとも水揚げの盛んな志摩市安乗地区が、まさに目の前の海で釣ってくるトラフグを大事に利用して地元で食べさせる取組を続け、あのりふぐとして三重ブランドにも認定されています。実はトラフグの産卵場は安乗の沖にありますので、安乗はトラフグのふるさとともいえそうです。また、安乗には他にも、宝彩エビ(クルマエビ)やあのりさばなど、豊かな漁場によってもたらされる高品質な水産物に名前を付けてブランド化する動きが活発です。
トラフグの水揚げ 志摩市安乗 平成26年10月1日撮影
かつて、おさかな雑録でフグ好漁の記事を書き、食べるなら今だとおすすめしたことがありましたが、実はその後、稚魚の加入が悪い年が続き、昨年度の水揚げは過去最・瘰・まで落ち込んでいました。そして今年、昨年の伊勢湾での生き残りが好転したことから、今年のはえ縄でのまとまった漁獲が期待されていたところでしたが、はえ縄の初漁日は予想を大きく上回る好漁となり、浜は久々の活気に包まれました。
トラフグの水揚げ 志摩市安乗 平成25年10月14日撮影
昨年は同じ初漁日に水揚げが少なかったため、船で天秤を使って計るほど魚がおらず、陸揚げして計量ばかりを使っていた光景をしばしば見ました。例年通りの作業がみられず、風物詩というにはいささか寂しかったのですが、今年はひと船で100尾以上の水揚げがあり、すっかり勢いを盛り返したように感じられました。
トラフグ漁はまだ始まったばかりで、これから寒くなるといよいよ本格シーズン到来です。今だとシーズン前なのでお値打ちな設定もあるそうですし、自然がたよりの天然魚では魚があるということがとにかく重要ですから、今年は久々にふぐの食べ時かもしれません。下記リンクの、あのりふぐ公式サイトをご覧いただき、それぞれ旅館や飲食店にお問い合わせされてはいかがでしょうか。
(2014年10月6日掲載 企画・資源利用研究課)
はえ縄漁業(水産資源課へのリンク)
三重ブランド(フードイノベーション課へのリンク)