おさかな雑録
No.10 トラフグ水揚げ 2010年2月17日
好漁の安乗(あのり)ふぐ、今シーズンをお見逃しなく!
平成22年1月18日撮影
冬が旬のおさかなには美味しいものがたくさんありますが、その味わいはもちろん、知名度と価格において、ふぐは最高級と呼ぶにふさわしい存在です。ふぐといえば下関が有名ですが、三重県には志摩沖にトラフグの産卵場があり、そこは遠州灘から熊野灘にかけて分布するトラフグの故郷となっています。トラフグの故郷に一番近く、そして水揚げも県内一多い、志摩市安乗(あのり)地区の名前を冠した「あのりふぐ」は、三重ブランドにも認定されている逸品です。
平成22年1月18日撮影
平成22年1月18日撮影
安乗でのトラフグの入札は少し変わっています。夕方に入港する漁船を入札に参加する仲買人などが待ちかまえていて、船に乗り移って入札していきます。魚を運ばず、人が移動するのは高級魚トラフグならではの光景です。また、いけすに泳ぐトラフグを上から見るだけで値段を決め、買い取りは一船丸ごとです。買う前に重さを量ることもできないので、まさに目利きが勝負、素人はとても手が出せない世界といえるでしょう。重さを量るのは値段と買う人が決まってから。揺れる船の上なので天秤を使っています。
あのりふぐの自慢をもう一つ。地元の旅館や民宿などと一緒に育ててきたブランドなので、安乗地区へ行けば、一番近いところで水揚げされた、一番美味しい状態のふぐを間違いなく食べることができるということです。今年は順調に釣れていてあのりふぐを満喫するチャンスです。10月から始まったあのりふぐのシーズンも残り一月ほど。ぜひ、この機会をお見逃しなく。
(2010年2月17日掲載 資源開発管理研究課)