旬のおさかな情報
No.3 ブリ 2014年1月31日
ブリ
ブリ 南伊勢町奈屋浦 平成26年1月29日撮影
熊野灘でブリといえば彼岸ブリ。これまでに「おさかな雑録」で紹介してきたように、3月や4月に水揚げの盛期を迎えます。つまり、少し暖かくなってきたなという季節がブリの季節になります。
ところが先日、奈屋浦や九鬼の定置網にまとまってブリが入りました。この時期にまとまった漁は熊野灘としては珍しく、まぎれもない寒ブリの来遊に関係者の顔もほころびました。
さすがに寒ブリ、みごとな魚体で、体重10キロ以上ある大型も混じり、平均で9キロあまりだったようです。ブリは生きたまま水揚げされますので、魚体には触れず、写真を撮るのも困難です。水槽にカメラを沈めてどうにか画像を撮りましたが、実物の迫力はとても伝えきれません。
熊野灘の魚は日本海の寒ブリと比べると脂は少ないのですが、筆者としてはむしろ、「ちょうどいい」脂ののり方です。彼岸ブリですら十分おいしいと思うのですが、この寒ブリ、きっと日本海の寒ブリと彼岸ブリを足して二で割ったような、すばらしいバランスの魚に違いありません。漁獲が29日で、活け締め、出荷は翌日以降ですから、ちょうど今日あたりから店頭に食べごろの状態で並ぶのではないでしょうか?
(2014年1月31日掲載 資源開発管理研究課)