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平成23年12月22日

おさかな雑録

No.60 ウチワザメ 2011年12月22日

サメと名の付くエイ

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ウチワザメ 全長53cm 南伊勢町贄浦産 平成23年12月1日撮影

 前回のカスザメを見つけてから程なくして、またしても贄浦の大型定置網の選別場所にサメとエイのあいのこみたいな魚を発見。どうも近頃こういうお魚とご縁があるようです。

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ウチワザメ 体腹面 全長53cm 南伊勢町贄浦産 平成23年12月1日撮影

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ウチワザメ 尾部 全長53cm 南伊勢町贄浦産 平成23年12月1日撮影

 この魚は背鰭、尾鰭を持ち、臀鰭はありません。また、胸鰭、腹鰭の境界も比較的明瞭です。ここまではカスザメと共通ですが、鰓孔や口が腹面にあることが大きく異なり、この魚はエイだとわかります。そして、エイの仲間としてはかなり特徴的な姿をしており、すぐにウチワザメと同定されます。 

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ウチワザメ 体背面 全長53cm 南伊勢町贄浦産 平成23年12月1日撮影

 ウチワザメの特徴は、上記に挙げたもののほか、体の背面に黄色い斑点を伴った鋭い棘があること、吻が比較的丸いことなどです。

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ウチワザメ 頭部腹面 全長53cm 南伊勢町贄浦産 平成23年12月1日撮影

 さて、2回続けてこのような魚を紹介しましたので、ここでサメとエイの違いについて説明したいと思います。

 一般には、サメとエイは軟骨魚類の双璧をなすかのように理解されているかもしれません。いわゆるサメ類とエイ類は形が大きく異なっているのも確かです。しかし分類上は、サメ類の中でもメジロザメ目やネズミザメ目はそれぞれ目という階級が与えられているのに対し、エイ類はこれだけ変わった形態を持つウチワザメも、ごく普通のアカエイもひとつのエイ目に含まれます。つまり、エイとサメの違いは、サメ同士の違いと同程度とされていることになります。サメかエイかという天秤にかける関係ではなく、エイはサメの一部とでも理解するのが良いのかもしれません。

 サメとエイの見分け方は、上にも述べたとおり、鰓孔が腹面にあるかどうか、ただこれだけです。 サメかエイか迷ったら、鰓孔を探しましょう。

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ウチワザメ 口 全長53cm 南伊勢町贄浦産 平成23年12月1日撮影

 ところで、ウチワザメの口には大きな鋭い歯がなく、ざらざらした細かい歯がヤスリのように並んでいます。この口だと、安心して開口した写真を撮ることができました。

 (2011年12月22日掲載 資源開発管理研究課)

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