おさかな雑録
No.52 アカシュモクザメ 2011年8月4日
出ましたアカシュモクザメ
アカシュモクザメ 全長約1.2m 南伊勢町贄浦産 平成23年8月3日撮影
以前の記事でシロシュモクザメを紹介した際、アカシュモクザメとの違いが話題になりました。それまで筆者は、色や頭部前縁の違いくらいしか気にしていませんでしたが、今度アカシュモクザメが出たら詳しく見てみようと思っていたところ、運良く両種に出会えましたので比較紹介します。
アカシュモクザメ 全長約1.2m 南伊勢町贄浦産 平成23年8月3日撮影
アカシュモクザメは名前の通り体が赤っぽく、体型は比較的ずんぐりしています。一番の特徴は頭部前縁が明瞭に凹むことで、遠目でも体型と色で、近くによって頭を見れば確実に他種と区別することができます。
アカシュモクザメ 全長約1.2m 南伊勢町贄浦産 平成23年8月3日撮影
以前のシロシュモクザメの記事で話題になっていた第二背鰭と臀鰭の基底長は、アカシュモクザメでは前者と後者がほぼ等しく見えます。
シロシュモクザメ 全長約1.2m 南伊勢町奈屋浦産 平成23年8月3日撮影
次に、シロシュモクザメを見ていきます。アカシュモクザメと比べて色が白く、細長い体をしています。
シロシュモクザメ 全長約1.2m 南伊勢町奈屋浦産 平成23年8月3日撮影
頭部前縁は丸みを帯び、前端はやや平らになりますが、明瞭に凹むことはありません。なお、腹側から見るとわずかに凹むように見える可能性もあることから、背側から確認することをおすすめします。
シロシュモクザメ 全長約1.2m 南伊勢町奈屋浦産 平成23年8月3日撮影
そしてシロシュモクザメでは、第二背鰭基底長は、臀鰭のそれと比べ明らかに短く見えます。これは以前に紹介した記事の通りで、今回の個体は幼魚ではないことから、成長に伴う変化でもないようです。ひょっとすると、図鑑の記載が両種を逆にしてしまった可能性も考えられます。シュモクザメ類の第二背鰭と臀鰭、今後も注意深く見ていきたいと思います。
アカシュモクザメとシロシュモクザメ、これまで見てきた限りではシロシュモクザメが圧倒的に多く、定置網でもまき網でも出現します。アカシュモクザメはまき網で希に見る程度で、熊野灘では多くないと考えられます。
(2011年8月4日掲載 資源開発管理研究課)