干潟・アマモ場の生き物観察会 平成23年5月21日
観察会の概要
干潟の生き物観察会を、志摩市と伊勢志摩国立公園自然ふれあい推進協議会との共催で行いました。志摩市民の方々を中心に総勢約20名参加していただきました。
今回は昨年以来の2年目の開催です。当日は晴天に恵まれ、みなさんと一緒に自然の干潟と再生を行っている干潟での貝類採集やカニ類の観察を行いました。また、アマモ場の上や干潟の水際を「砕波帯(さいはたい)ネット」と呼ばれる網でひきました。(写真)
前回の調査結果と比べて、再生干潟の生き物がどのくらい増えてきたかを参加者の皆さんに調べていただきました。その結果、自然の干潟からは二枚貝や巻き貝、カニやエビなどが36種類、再生干潟では、巻き貝やカニや魚の稚魚など移動性の生き物を中心に20種類が見つかりました。特に今回は魚類の量が増えていると感じました。また,砕波帯ネットの中に変わった魚が採集できました。その場では同定できませんでしたが、トサカギンポという藻場の周辺に住む魚でした。(写真)
調査結果
再生活動を行ってから1年あまりですが、少しずつ生き物が戻りつつあることを実感できます。再生干潟の土も昨年と比較して,泥分が少なくなったようにも感じました。(写真)。水門を開放するようになって、これまでたまっていた泥が分解されたからでしょうか。今後が期待できます。
また、干潟再生海域でコアマモの苗を移植し、苗の横にネームプレートをつけてもらいました(写真)。また自分で移植したコアマモがどのように成長しているか、見に来てもらえるとうれしいです。
一般に再生には少なくとも3年は必要だといわれています.しかし少しずつですが、確実に再生干潟で生き物が増えてきていることを実感できます。今後もこのような活動を通じて、干潟・藻場の大切さと、再生のための活動に対する理解が進むことを期待しています。
図 干潟水際でひく砕破帯ネット |
図 ネットでとれた生き物の観察 |
図 採集した生き物の分類 |
図 トサカギンポ |
主催:三重県水産研究所
志摩市
伊勢志摩国立公園自然ふれあい推進協議会