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平成23年02月16日

おさかな雑録

No.39 クサビフグ 2011年2月17日

珍しい魚の記録

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クサビフグ 全長22cm 南伊勢町贄浦産 平成21年8月21日撮影

 先日紹介したヤリマンボウが縁で、大学の研究者からいろいろとお問い合わせをいただくことがありました。それで過去のマンボウ類の出現状況を見直していたところ、珍しいといわれるクサビフグの写真が出てきました。クサビフグはご覧の通り細長くなったマンボウといった姿をしており、とても印象深い魚です。当時のメモによると、クサビフグは2週にわたって巻き網で混獲され、あわせて10個体以上が確認されています。初めてみたときは「おおっ」と思ったものの、次の週にはそれほど感動もしなかったことを覚えています。しかし、確かに漁業者はこれほど見かけることは珍しいと言っていました。
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クサビフグ 全長22cm 南伊勢町贄浦産 平成21年8月26日撮影

 当時担当者は市場調査の1年目で、初めて見る魚がたくさんありました。そのため初めて見る魚であっても珍しいかどうかの判断ができなかったのですが、クサビフグはそれ以降まったく見かけません。今回改めて記事にしてみて、やはりあの時は非常に希な経験をしたのだなとしみじみ思い返したのでした。

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 参考までに、当時の海況も紹介しておきます。左が8月21日、右が26日で、いずれも比較的冷たい水が黒潮内側域に広がっていました。一方巻き網の漁場は沿岸域で、クサビフグが獲れた場所は暖水側になります。漁獲主体はいずれもゴマサバ当歳魚で、混獲物としてクサビフグや、カツオ、ヨコワ(クロマグロの幼魚)、マイワシ、カタクチイワシ、ウルメイワシ、ハリセンボン、マンボウ、クマサカフグなどがみられました。これらのうち、クマサカフグは名前を聞いて姿を思い浮かべることが困難と思われますので以下に紹介します。

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クマサカフグ 標準体長37.2cm 南伊勢町贄浦産 平成21年8月21日撮影

 同じフグという名前が付いていますが、クサビフグはマンボウ科、クマサカフグはフグ科で、クサビフグはいわゆるフグではありません。クマサカフグは胸鰭上半分が黒いこと、尾鰭は下葉が長いこと特徴のサバフグ属魚類で、比較的珍しい種類です。なお、クマサカフグは食用として認められていません。

(2011年2月17日掲載 資源開発管理研究課)

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