おさかな雑録
No.15 熊野灘観測 2010年3月16日
黒潮域まで観測航海
平成22年3月11日撮影
水産研究所では、毎月1回、熊野灘と伊勢湾の観測を行っています。今回は先日行われた熊野灘沿岸定線調査の様子を紹介します。熊野灘では北緯33°まで船を走らせて観測を行っており、今回は黒潮域にもしっかりと突入してきました。
平成22年3月11日撮影
海の上が陸と決定的に違うのは、揺れるということです。特に室内でパソコンを使って観測を行うとき、この違いを痛感します。外洋で波に揺られる感覚を写真でお伝えすることは難しいのですが、上の2枚の写真の海面の角度を見比べていただければ、船が傾いていることがおわかりいただけるかと思います。
平成22年3月12日撮影
観測一日目は研究所から黒潮域まで南下し、勝浦で停泊しました。調査船「あさま」はご覧のようにスマートな船体と広い後部デッキをもち、高速航行と各種海洋観測の能力を追求しています。ずんぐりした船体のまぐろはえなわ漁船が多く見られる勝浦港においてはよく目立ち、通りすがりの方から声をかけられることもしばしばあります。
平成22年3月12日撮影
写真は水深150mからの鉛直びきでプランクトンを採・謔オたところです。今回の観測では低温、高栄養の沿岸水が熊野灘に広く張り出し、かなり沖合の観測点においても多量のプランクトンが採集されました。熊野灘沿岸定線観測では19の定点を設け、水温、塩分、溶存酸素、クロロフィル、流向流速などの各種海洋項目、および気象のデータを観測して研究や情報提供に利用するほか、毎月とりまとめたデータを関係機関に送付しています。
(2010年3月16日掲載 資源開発管理研究課)