調査船「あさま」について
- 「あさま」は、海洋観測、海洋生物資源や海域環境・生態系保全等に関する調査研究のため、平成14年3月15日に竣工しました。
- 中型調査船としては他に例のない高速タイプの多目的調査船で、その機動性をいかし、伊勢湾から熊野灘まで広範かつ変化に富む三重県周辺海域の調査を実施しています。最新鋭の観測機器を搭載した「洋上の動く研究室」として設計され、女性研究員の乗船等にも配慮した船内の居住環境と安全性を重視した構造を備えています。
- 「ひらかれた調査船」として大学等との共同研究にも活用されています。また、災害復旧活動への支援も行うことにしています。
主要目
1.工程
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2.主要寸法
- 船型 ステップ船首付ディープVオメガ型高速船
- 船質 耐食軽合金
- 全長 31.25m
- 登録長 28.50m
- 幅(型) 6.40m
- 深さ(型) 2.60m
- 計画満載喫水(型) 1.20m
- 総トン数 84トン
3.最大搭載人員
- 通常 10名(乗組員6名、調査員4名)
- 24時間未満 18名(乗組員6名、調査員他12名)
4.容積
- 燃料油タンク 20.0立方m
- 清水タンク 4.0立方m
5.推進・発電装置
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主機関 |
発電機関 |
配電盤 |
6.速力及び航海距離
- 試運転最大速力 最大22ノット
- 航海速力 20ノット
- 微速力(調査状態) 任意の速力
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航続距離 約1000海里
7.資格等
- 資格 第3種漁船
- 航行区域 近海区域(非国際航海)
- 航行水域(GMDSS) A2海域
- 船舶番号 135659
- 信号符字 JH3491
- 船籍港 三重県津市
調査船あさまの主な航海機器
1.GPS航法装置(自分の船の位置を知る)
3個以上の衛星の信号を同時に受けて,その時間差から自船の現在位置を求める装置です。 |
2.カラープロッタ(位置を表示させる)
GPS航法装置と接続することにより,自船の位置を画面上の海図に表示する装置です。また,目的地を設定すると,目的地までの方向・距離・所要時間などを表示させることができます。
3.カラー魚群探知機(魚群をさがす・水深を知る)
船底に取り付けられた送受波器から超音波信号を発射し,海中のプランクトン・魚群・海底等に反射した信号を送受波器で受信することにより,画面上に魚群や水深の情報を映像として表示する装置です。
4.船舶用レーダー装置(他船の位置・障害物を知る)
レーダーアンテナから電波を発射し,船や島等に突きあたってやまびこのように反射した電波を受信部で受信することにより,自船の周囲の船や島などの状況を映像として表示する装置です。
操舵室 |
操舵コンソール |
調査船あさまの主な調査・観測機器
1.CTD(採水機能付き)
観測室 |
観測室 |
水深,水温,塩分を測定します。 |
CTD |
2.サーモサリノグラフ
航走中に表面の水温,塩分,クロロフィルを測定します。 |
サーモサリノグラフ |
3.超音波流向流速計(ADCP)
海流の流れる方向や速さを測定します。 |
ADCPセンサー |
4.海底地形探査装置
海底の地形を測定し,画像化するシステム。
航走しながら船底から超音波を発射し,海底からの反響をとらえて海底の地図を描きます。
5.科学計量魚群探知機
魚の群の重量や尾数を測定できる魚群探知機。
船底から超音波を発射し,魚の群から戻ってきた反射波から,その群が何尾いるのか,どのくらいの重量があるのかが分かる精密な魚群探知機です。
6.スキャニングソナー
魚群の広域的な分布を知ることができる魚群探知機。
船底から水平方向に超音波を発射し,船の周りの魚群を探知できます。魚の群を連続的に追跡してその行動を調べることもできます。
サイドスキャンソナー |
スキャンニングソナー |
7.多段開閉式採集ネット(モクネス)
所定の水深で魚卵,稚仔魚,動物プランクトンなどを定量的に採集できるプランクトンネットの1種です。同時に水温,塩分などの環境データも測定できます。
8.海洋観測データ処理システム
船の様々な観測機器からのデータをコンピュータで集中的に処理するシステムです。平年値などが素早く処理できるようになったり,様々なデータを組みあわせて比較することができます。
その他
リモートコントロールで水中の映像をビデオに記録する水中ロボットテレビや,いろいろな生き物を採集するために各種のネットを使用できるようになっています。 |
水中ロボTV |
船底音響センサードーム |
調査・観測ウインチ |
A型フレーム |