第4回
前回は、期首の貸借対照表を作ってもらいました。あなたの経営の貸借対照表は出来たでしょうか? 簿記を始めるときに最初につまづく部分なので、疑問・質問があれば、メール等でお問い合わせください。
コラム:あなたの資本金額をチェック
期首貸借対照表が出来たら、まず、資本金額を見てください。その額があなたが農業経営に出資している金額です。いくらでしょうか?
農業分野では資本金が1千万円を超える経営も珍しくはありません。農業者も一般の会社の社長と同じ「経営者」であることを意識してください。
勘定科目の設定
今回は、勘定科目の設定を行います。以前にも少し説明しましたが、簿記では、経営の財産の増減を引き起こす「出来事」を「簿記上の取引」として、勘定科目毎に記録していきます。そこで、どの様な勘定科目を使うかを最初に決める訳です。どんな勘定科目を使うかは自由ですが、一般的に使用されているものを参考までに紹介します。(>勘定科目表へ)
これを基にそれぞれの経営に合った勘定科目を選んでもらえればよいと思います。
「資産」「負債」「資本」「費用」「収益」この言葉には慣れたでしょうか。勘定科目は、これら五つのグループを更に細かく分けたものだと理解してください。従って、自分の経営にあわせて、資産にはどんなものがあるか?、負債は?、費用は?、収益は?と具体的に項目を上げてみて、勘定科目を設定する訳です。
勘定科目設定のポイント
(1)分かり易い様に (2)あまり細かく分けない様に (3)経営の分析に役立つ様に
記帳を始めるときに、あまり頑張って細かく勘定科目を分けてしまうと後が大変です。必要になれば、後から勘定科目を追加することもできますので、必要最低限の勘定科目から始めてもいいと思います。ただ、経営分析や経営計画を立てるときに役立つ様、その経営の成績を大きく左右する収益や費用はある程度分けておいた方が良いでしょう。また、地域や生産部会等で同様な経営があれば同じ勘定科目を使って記帳すれば、互いに教え合ったり、比較したり出来るので便利です。
例えば、
「農産物売上」という勘定科目を使って、農業関係の売上をすべて記録してもいい訳です。しかし、これでは、経営の柱となる作物の売上がどうなっているのか、よく分かりません。主要な品目については、「トマト売上」とか「いちご売上」とか言うように分け、それぞれの動きをチェックし易いようにしておくのがよいでしょう。
以上のことを参考にして、勘定科目を設定してみてください。