平成12年版 環境白書に見る三重の環境
II 平成11年度における三重県の環境の状況
1.廃棄物問題
三重県の家庭などから出されるごみの量は、平成10年度で約84万トンあり、県民一人1日あたり1,230g出していることになります。なお、リサイクル率は12.5%となっています。県の環境基本計画では、平成22年度には一人1日あたり1,100g以下まで減量し、リサイクル率を30%にすることを目標にしています。ごみを減らすため県民の皆さん一人ひとりが考え行動することによって、はじめて目標を達成することができます。
ごみ排出量及び一人1日当たりゴミ総排出量の推移
ゴミの減量化やリサイクルを積極的に進めるため、平成13年4月の家電リサイクル法施行に先がけ、市町村の取り組みを効率的に実施するための県内ルールを作成するとともに、生ゴミのリサイクルシステム、事業系ごみの減量化システムについての手法メニューを作成し、今年度中に市町村等に提示します。
また、三重県では、環境への負荷を減らすとともに、ごみの持つエネルギーを有効利用するため、RDF(ごみ固形燃料)化構想を推進しています。このRDF化構想を推進・定着させるため、RDF化施設の現状、利点、問題点等を内容とする啓発資料により、市町村がRDF化の推進について正しく評価できるようにしています。
平成8年度に県内で排出された産業廃棄物は約340万トンで、その内訳は汚泥が190万トン(56%)、コンクリート片などの建設廃材が約88万トン(26%)と、両者で全体の8割を占めています。排出された産業廃棄物は再利用されたり、焼却や脱水などの方法で減量化され、最終的に埋め立てられた量は約78万トンとなっています。
産業廃棄物の種類別排出量
産業廃棄物の種類別再生利用量
これらの産業廃棄物の適正処理を推進するため、産業廃棄物処理業者、排出事業者等への立入検査件数を年間2500件と設定し、通常の監視活動のほか、早朝・夜間・休日の監視、隣接県との共同路上検査、スカイパトロール等を通じ、積極的な監視指導を行うとともに、違反業者に対する厳しい行政処分と悪質な不法投棄事案に対する積極的な告発を行っています。
また、産業廃棄物多量排出事業者等が自己の産業廃棄物の種類、量及び管理状況などの情報を自らが提供する自主公開システムの指導推進体制を整え、適正管理計画書を提出した事業者に対する減量化、リサイクル計画の改善指導、進捗状況の把握及び未提出事業者への提出指導を行い、積極的に情報を公開します。
さらに、ダイオキシン類の発生抑制をはじめとした廃棄物の適正処理を推進するため、市町村や産業界からの強い要請のある廃棄物処理センターを整備し、市町村の焼却残さを広域的に処理するとともに、産業廃棄物を公共関与で処理する施設を整備しています。特に、溶融施設は、ダイオキシン類に係る規制が本格的に適用される平成14年12月に稼働させる必要があることから、平成14年11月末までに完成させるように進めています。