三重県では、昨年7月から今年6月まで、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共同して、県内2か所の児童相談所において、虐待対応を支援する業務システムの実証実験に取り組んできました。
今年4月からはシステムの運用に向け、現場に即したルール作り、システム調整等を行い、県内すべての児童相談所において、本システムの運用を開始します。
児童相談所において、AIを活用した虐待対応を行うのは、全国で初めてとなります。
記
1 運用開始日
令和2年7月20日(月)
2 システム導入のメリット
①効率化
通告受理から子どもの安全確認・記録など初期対応の完了までの時間が、ベストプラクティス事例
では約26時間から約10時間と、約60%短縮することが確認されました。
②意思決定の迅速化
写真とチャット機能を利用して、出張先からデータを送付し、児童相談所内(所長・課長)と情報
共有を行うことで速やかな意思決定が可能になりました。
③業務の質的支援
面接する際にリスク値が大きく変化する項目を重点的かつもれなく調べることが可能になりまし
た。
④記録の省力化
出張中や待機時間中、必要に応じ、いつでもどこでも経過記録が入力可能になりました。
そのほか、過去の多くの対応記録(約6,000件のデータ)に基づき、人とAIとのベストミックスに
よる虐待対応が可能となりました。
3 経緯
2012年度(平成24年度):2件の死亡事例発生
2013年度(平成25年度):リスクアセスメント運用開始
2014年度(平成26年度)~:リスクアセスメントデータを研修やマネジメントに活用
2019年度(令和元年度):中勢児童相談所・南勢志摩児童相談所において、AiCANの実証実験開始