事業者である(仮称)菰野インター周辺地区土地区画整理組合設立準備会から送付のあった(仮称)菰野インター周辺地区土地区画整理事業に係る環境影響評価方法書について、知事が環境保全の見地から意見を述べるにあたり三重県環境影響評価委員会へ諮問していました。同評価委員会からは、平成30年1月23日に審議結果の答申がありましたので、平成30年1月24日付けで、下記のとおり環境影響評価方法書に対して知事意見を述べました。
なお、知事意見等については、平成30年1月31日から平成30年3月16日まで、環境生活部、三重県立図書館、情報公開・個人情報保護総合窓口及び四日市地域防災総合事務所において閲覧に供します。
(事業概要)
・事業者 (仮称)菰野インター周辺地区土地区画整理組合設立準備会
・対象事業実施区域 三重郡菰野町大字潤田地内及び大字音羽地内
・面積 46.65ha
・事業計画 新名神高速道路(平成30年度開通予定)の(仮称)菰野インターチェンジの東側及び西側に隣接する区域で、住居及び工業系用途として土地区画整理を行う。
※環境影響評価方法書について
環境アセスメントにおいて、どのような項目について、どのような方法で調査・予測・評価をしていくのかという計画を示した書類です。
以下、知事意見を掲載します。
(総括的事項)
1 事業実施区域の周辺では新名神高速道路の整備等が行われており、交通形態や交通量の変化が見込まれるため、これらを勘案した調査手法及び頻度とすること。
2 準備書の作成までに環境影響評価の項目及び手法の選定等に係る事項に新たな事情が生じた場合には、必要に応じて、項目及び手法を見直し、追加調査を実施すること。
3 調査、予測及び評価を行うにあたっては、既存の文献、類似事例等を参考にしたうえで、環境影響について可能な限り定量的な把握に努めるとともに、知見が不十分で予測、評価に不確実性が伴う場合には、事後調査を計画すること。
4 環境保全措置の検討にあたっては、環境影響の回避・低減を優先的に検討し、代償措置を優先的に検討することがないようにすること。
(個別的事項)
1 水質
事業実施区域の南側を流れる三滝川は、表流水が少ないため、現在行われている新名神高速道路等の建設や本事業の土地の造成による水脈等への影響、供用後の雨水の流入等による流量の変化を監視できるよう、事後調査を計画すること。
2 土壌
土壌調査地点については、地歴調査を慎重に実施したうえで、適切な位置を選定すること。
3 陸生動物
事業実施区域内及びその周辺において、シカ、イノシシ、サル等の行動パターンや生息状況を調査し、移動等の予測を行うこと。
4 陸生動物・水生生物・生態系
事業実施区域内の植生は、方法書に示された現存植生図から変化しているため、現地の状況に応じて調査地点の追加及び変更を検討すること。
5 水生生物
水生生物の調査については、冬季を含めた年4回実施すること。
6 その他(水道)
事業実施区域内及び周辺に存在する上水道の水源井戸に対する影響について、配慮すべき事項を検討し、適切に対応すること。