県では、紀北町、尾鷲市において、関東方面など県外からの建設残土の搬入が続いており、地域住民の皆さんに不安が広がっている状況をふまえ、また、今後の県内への無秩序な建設残土の搬入に備え、条例が必要と判断し、条例制定に向けた検討を行うこととしました。
1.検討経緯
紀北町、尾鷲市地域では県外からの建設残土の搬入が続いており、紀北町からは広域的な観点からの県残土条例の制定を要請されているところです。また、同地域の他、県内における建設残土搬入にかかる課題について改めて把握するとともに、条例制定府県における取組状況について、関係する環境生活部、農林水産部、県土整備部において、それぞれが所管する個別法に基づく対応について検証を行うなど、条例制定の必要性について再検討を行ってきました。
2.検証等の結果及び検討の方向性
県内全市町と協議を行った結果、他地域でも小規模な建設残土搬入事案が見受けられるなど、課題に発展しそうな事案も確認できました。
また、他府県においては、建設残土の搬入を事前に把握することにより無秩序な土砂堆積の防止につながる、適切な指導ができるなどの効果があることがわかりました。個別法との関係においては、課題に対応した整理がされていました。
このようなことから、県内の状況をふまえたうえで、実効性のある建設残土にかかる条例制定の検討を進めることとし、広域的な取組の観点や未然防止の視点も含めて検討を進めていくこととします。
3.検討体制について
(1)庁内体制
条例検討にあたっては、建設残土にかかる課題は複数の部局の様々な法令が関係をしており、関係する環境生活部、農林水産部、県土整備部の連携は不可欠であることから、条例制定後の取組を見据え、環境生活部を中心に、三部が連携した検討体制を構築し、検討を進めていきます。
また、他府県の取組では、監視・指導体制の充実が重要であることがわかっています。本県においては、環境生活部廃棄物対策局において、廃棄物の不法投棄体制について、廃棄物の不適正処理にかかる間隙のない監視・指導体制を構築し、早期発見・早期是正の取組を行うことで成果があがっており、ノウハウの蓄積も図られています。このため、条例制定後の具体的な取組については、環境生活部廃棄物対策局で実施体制の構築に向けた検討を進めていきます。
(2)審議会
条例のあり方について、環境保全にかかる視点から環境審議会に諮問し、検討を進めていきます。
4.制定に向けたスケジュール(予定)
〇平成31年5月 環境審議会に諮問
〇 〃 6月 県議会定例月会議(関係三部所管常任委員会)で素案説明
〇 〃 8月 環境審議会 中間案協議
〇 〃 8月から9月 常任委員会への説明、パブリックコメント、市町への意見照会
〇 〃 11月 環境審議会 最終案協議 答申
〇 〃 11月 定例月会議 条例議案提出
〇2020年 1月から 条例周知期間
〇 〃 4月 条例施行