令和2年度の収入未済額は決算見込みで約51.1億円となり、前年度の約30.9億円から約20.2億円増加しました。収入未済額約51.1億円のうち、新型コロナウイルス感染症にかかる特例の徴収猶予額が約22.6億円含まれています。
収入未済額のうち繰越分は約16.9億円と10年連続で縮減した結果、平成以降で最少の額となりました。
また、徴収率は97.9%となり、前年度の98.7%から0.8ポイント下がりました。
なお、収入未済額全体の8割以上を占める個人県民税の収入未済額は、市町、三重地方税管理回収機構と連携した徴収対策により、約22.9億円と前年度より約2.5億円縮減しました。平成19年度の税制改正による税源移譲に伴い増加した個人県民税の収入未済額は、ピークであった平成21年度の約58.7億円から約6割を縮減しました。
1.これまでの取組について
県は、重要な自主財源である県税の収入未済額縮減のため、個人県民税対策に取り組むとともに、納税環境の整備と滞納整理の強化の両面で取組を行ってきました。
(個人県民税対策)
個人県民税が県税の収入未済額のうちの8割以上を占めるため、個人県民税対策として市町と連携し、滞納整理の強化を図るとともに、普通徴収から特別徴収への切り替えを促進するなどの取組を行いました。
○三重地方税管理回収機構との連携(平成16年度~)
○地方税法第48条に基づく個人県民税の直接徴収(平成22年度~26年度)
○個人県民税の特別徴収義務者の指定の徹底(平成26年度~)
○各県税事務所に個人住民税対策の市町支援窓口を設置(令和2年度~)
(納税環境の整備)
県民が納税しやすい環境を整えることで、納期内納付率の向上を図り、滞納発生の抑制に努めました。
○Pay-easy(ペイジー)(※1)の導入(平成18年度~)
○コンビニエンスストアでの納付の導入(平成19年度~)
○インターネットを利用したクレジットカード納付の導入(平成26年度~)
○MMK(※2)設置店(スーパーやドラッグストア等)での納付の導入(平成28年度~)
○スマートフォン決済アプリ(※3)「PayB(ペイビー)」及び「モバイルレジ」での
納付の導入(令和2年度~)
新たなスマートフォン決済アプリ「PayPay(ペイペイ)」での納付の実施(令和3年度~)
(※1)ペイジーとは、税金や公共料金、各種料金などの支払いを、パソコンやスマートフォン・携帯
電話、ATMから支払うことができるサービスです。
(※2)MMK(マルチメディアキオスク)とは、一部のスーパーやドラッグストアで導入されている
税や各種公共料金の支払いができる公共料金収納端末のことです。
(※3)スマートフォン決済アプリでの納付とは、自動車税種別割の納税通知書に印刷されたバーコードを
スマートフォンのアプリで読み取って、自動車税種別割を簡単に納付することができる仕組み
です。
(滞納整理の強化)
納税資力があるにも関わらず、納期内に納付いただけない滞納者には、滞納処分を前提とした滞納整理を徹底し滞納額の縮減に努めました。
○高額滞納対策の実施(平成16年度~)
○インターネット公売の実施(平成17年度~)
○自動車税対策(滞納処分を前提とした滞納整理)の徹底(平成23年度~)
2.今後の取組について
引き続き、個人県民税対策に取り組むとともに、納税環境の整備と滞納整理の強化の両面で取り組みを進め、納税者の利便性の向上と税負担の公平を図ることで、税収の確保並びに収入未済額の縮減に努めます。