県内市町の平成30年度における固定資産税(市町村税)の算定基礎となる基準宅地の価格について、三重県固定資産評価審議会の答申を受けて、別添のとおり決定しました。
その概要については次のとおりです。
○県内市町の平成30年度の基準宅地の価格(平成29年7月1日時点)は、前回平成27年度評価替え(平成26年7月1日時点)と比較すると、4地点で上昇、1地点が横ばい、24地点が下落しています。
3年間の県平均変動率は、単純平均で▲6.9%の下落となっており、前回平成27年度評価替えの平均変動率の▲6.1%に比べ、下落率が拡大しています。
なお、この変動率は、基準宅地1地点における価格の変動を示すものであり、その市町全体における価格の変動を示すものではありません。
○価格の高い順
・四日市市(256,900円)
・伊勢市(190,400円)
・津市(158,200円)
○上昇率の上位3市町
・伊勢市(8.8%)
・四日市市(5.2%)
・桑名市(1.9%)
≪主な変動要因≫
・伊勢市については、基準地の地域は、伊勢神宮内宮の観光客を対象とした土産物店等が建ち並ぶ通称「おはらい町」であり、市内の商業地は空洞化しているものの、当該地域を訪れる観光客が依然として多く、高い集客力を維持していることなどが上昇の主な要因と考えられます。
・四日市市については、近鉄四日市駅前であり、分譲マンションの新築等により高い集客力を維持し、安定的な収益確保が見込まれることなどが上昇の主な要因と考えられます。
・桑名市については、駅前商業地であり、マンション用地も含め、潜在的に需要が堅調であることなどが上昇の主な要因と考えられます。
○下落率の上位3市町
・紀宝町(▲17.5%)
・御浜町(▲17.5%)
・大紀町(▲15.4%)
≪主な変動要因≫
・紀宝町については、津波被害の懸念や過疎化に加え、国道42号紀宝バイパスの整備による交通量の減少などが下落の主な要因と考えられます。
・御浜町については、津波被害の懸念や高齢化の進行などが下落の主な要因と考えられます。
・大紀町については、津波被害の懸念や過疎化・高齢化の進行などが下落の主な要因と考えられます。
【参考】
(1) 固定資産の評価替え
固定資産税の課税の基礎となる土地及び家屋の価格については、原則として3年ごとに見直すこととされており、これを「評価替え」とよびます。
平成30年度はその評価替えの年度にあたります。
(2) 路線価
市街地などにおいて街路に付けられた価格のことであり、街路に接する標準的な宅地の1㎡当たりの価格のことをいいます。
(3) 基準宅地
市町村間の土地評価の均衡を確保するための指標となるものであり、「市街地宅地評価法」を適用して各筆の宅地の評点数を付設している場合にあっては最高の路線価を付設した街路に沿接する標準宅地を、「その他の宅地評価法」のみを適用して各筆の宅地の評点数を付設している場合にあっては単位地積当たりの適正な時価が最高である標準宅地をいいます。
(4) 土地評価の均衡化・適正化
土地評価の均衡化・適正化を図るため、宅地の評価においては地価公示価格及び不動産鑑定士による鑑定評価価格等の7割を目途に行うこととされています。
(5) 価格調査基準日及び地価下落に対応した評価額の修正
平成30年度評価替えにおける価格調査基準日は、平成29年1月1日です。
しかし、依然として地価の下落傾向が続いていることから、前回の評価替えと同様に、平成29年1月1日から平成29年7月1日までの半年間に地価が下落したと認められる場合は、半年間の地価下落を評価額に反映させるための措置が講じられています。
(6) 固定資産税の税額
固定資産税の税額は、原則として固定資産の評価額の1.4%です。従って、宅地の評価額が下がれば、これに合わせて固定資産税の税額も下がることが考えられます。
しかし、宅地の固定資産税額の算出にあたっては、課税の公平の観点から、地域や土地によりばらつきのある負担水準(今年度の評価額に対する前年度課税標準額の割合)を均衡化させるための負担調整措置が講じられ、負担水準の高い土地は税負担を引下げ又は据置き、負担水準の低い土地はなだらかに税負担を上昇させることによって負担水準のばらつきの幅を狭めていく仕組みが導入されています。このため、評価額が引き下げられる場合にあっても、必ずしも税額が引下げになるとは限りません。これまでの税負担の水準が、評価額に対して低かった場合には、税額が上昇することもあります。
なお、現行の負担調整措置は平成27年度から平成29年度までのものであり、平成30年度以降の措置については、地方税法改正により定められることになります。