県では、北勢地域の地盤沈下の状況を把握するため、関係機関と協力して北勢地域(124地点)の水
準測量を継続的に実施しています。
このたび、平成23年における北勢地域の地盤沈下の状況について取りまとめましたので公表します。
1.調査結果
年間1cm以上の沈下を示した地点は1地点であり、近年の地盤沈下の沈静化傾向に変化はありませ
んでした。
また、同地域内の観測井戸の地下水位についても、上昇(回復)傾向となっています。
○地盤沈下の状況
・観測水準点 124地点
・1cm以上の沈下水準点 1地点(平成22年は0地点)
※沈下を示した水準点 116地点(全観測点の93.5%)
・年間最大沈下量 -1.6cm(桑名市深川町)
・昭和36年~平成23年の累積沈下量の最大値 -158.4cm(桑名市長島町白鶏)
北勢地域の地盤沈下は、昭和47年から昭和49年をピークに、昭和59年まで年間1cm以上の
沈下量を示す水準点が多数観測され、広範囲にわたる沈下域※が形成されました。しかし、昭和60
年以降は異常渇水のあった平成6年を除いて地盤沈下は沈静化傾向にあります。
※沈下域:隣接する3点以上の水準点の年間沈下量が1cm以上の地域
○地下水の状況
地盤沈下と密接に関連のある地下水位の状況を把握するため、関係機関と協力して23箇所の観測
井戸で水位を観測しています。
その結果、平成23年は測定した23箇所のうち、17箇所で水位が上昇しました。なお、下降を
示した井戸についても、長期的には地下水位は上昇傾向を示しています。
2.今後の対応
地盤沈下は沈静化の傾向にありますが、東海地震や東南海・南海地震の大規模地震に伴って発生する
津波に対する警戒が高まるなか、当該地域における地盤沈下についても観測・監視を継続的に行ってい
きます。
また、今後も東海三県地盤沈下調査会及び関係機関と連携・協力し、広域的な調査及び対策を実施す
ることとします。