この研修は、例年、環境保全コース2年生の生徒を対象に夏休み期間を利用して実施しているもので、普段の授業では体験できないチーェンソーによる伐木等を実際に現場で体験する貴重な機会となっています。
両日とも暑すぎるぐらいの好天に恵まれ、28人の生徒が参加しました。
初日は、レーザ計測技術を使った森林調査を体験しました。
三重県林業研究所の島田主幹研究員の指導のもと、地上レーザスキャナ(森林3次元計測システムOWL(アウル))を用いた最新の森林調査のほか、幅広く活用されているレーザ測高器(TruPulse(トゥルーパルス))や輪尺を用いた従来型の森林調査を体験しました。
生徒達には、従来型の森林調査によって各自計測したデータを元に、形状比や樹冠長率を計算してもらい、単木の評価に挑戦してもらいました。これと並行して、地上レーザスキャナで取得した計測データの解析をパソコン上でデモンストレーションし、生徒が各自計測した単木データとの比較によってレーザ計測技術の精度を体感してもらいました。
続いて、レーザ計測データの解析によって求められた、形状比(平均)、樹冠長率(平均)、相対幹距比により林分の評価を行って必要な間伐本数を導き出し、その結果を踏まえて翌日に伐採する間伐木の選木を行いました。
2日目は、チェーンソーによる伐木・造材を体験しました。
中勢森林組合職員から、チェーンソーの取扱い方法や注意点、伐倒の方法、安全装備についての説明を受け、森林組合職員による伐木・造材のデモンストレーションを見学した後、3班に分かれてチェーンソーによる伐木・造材作業を体験しました。
生徒達は、慣れないチェーンソーの操作に戸惑いながらも森林組合職員の丁寧な指導のもと真剣に取り組んでいました。「かかり木」も発生しましたが、フェリングレバーやけん引具を用いた安全な処理方法を体験する良い機会にもなりました。
生徒のアンケートでは、「チェーンソーをもう一度学びたい」「もっと木を伐りたい」「勉強になった」「すごく大変な作業だった」といった回答がありました。 高校2年生で行う当研修をきっかけに、「林業」に関わる仕事を自分の将来の選択肢に入れる生徒が現れ、林業への就業につながっています。
引き続き、関係者の協力を得ながら、生徒にとって有意義な研修となるよう取り組んでまいります。