林道の特徴
林道は一般の道路と異なる特徴があります
林道は一般の道路とは違い、家から山仕事の現場までの往復や、山での作業、山から木材を運搬するための交通手段という特別な目的のもとにつくられています。
このような林道の性質から、林道の構造や規格は道路構造令に準じてつくられた林道規程に従っていて、一般道路とは異なる特徴を持っています。
以下に主な特徴を紹介します。
一般車両は利用できないことがあります
林道は、主に山での作業や木材運搬などのためにつくられたものです。ですから、入り口にゲートがあり、施錠されている林道も多くあります。このような林道は、一般の車が利用できない林道で、走行するには林道管理者の許可が必要です。
また、施錠されていない林道であっても、通行に危険が認められる場合には、通行止めにすることがあります。
林道案内標識が設置されています
林道には、林道起点・終点・中間点を知らせる林道案内標識が設置されています。案内標識には、林道名や林道の幅、安全に走行できる最大の速度や、走行上の注意事項などが記載されています。
また、万一事故が起きた場合の緊急連絡の際に自分の位置を教える上でも重要です。
林道を利用する際は案内標識を確認するようにしましょう。
林道の規格構造にあった安全な運転をしましょう
林道には、自動車道と軽車道があり、自動車道は1級から3級に区分されています。
林道の幅やカーブ、勾配などの規格構造は、林道の区分に応じた車両が、安全で円滑に通行できるように設計されています。
規格構造にあわない大型車両が3級林道を走ることは大変危険です。
幅
ほとんどの林道は狭い一車線の道路です。林道の車線及び車道の幅は下表のとおりです。
普通自動車の幅は、一般に1.7m以上ありますから、無理にすれ違おうとすると転落などの事故が起こります。
すれ違いの際には待避所を利用しましょう。
区分 | 車線及び車道の幅員 (単位:m(メートル)) |
路肩 (単位:m(メートル)) |
|
---|---|---|---|
1級 | 2車線 | 2.75m(車線の幅員) | 0.75または0.50m |
1車線 | 4.00m | 0.50または0.25m | |
2級 | 3.00m | 0.50または0.25m | |
3級 | 2.00または1.80m | 0.50または0.30、0.25m |
(林道に限らず、道路には車両の通行を目的とした車道と、道路の主要な構造物を保護し、車道の効用を保つためにつくられた路肩があります。本来、路肩を走行してはいけません。)
勾配
林道には急勾配の箇所が多く、林道の区分とその設計速度などに応じて一定の数値以下に設計されています。
特に林道を下る場合には、スピードを落し、エンジンブレーキを使用するなど、慎重に運転することが大切です。
カーブ
林道は山地の屈曲した地形につけられるため、急なカーブが連続します。カーブの曲がり具合は、林道の区分に応じて定められた設計速度により決められています。
それぞれの林道の区分や、現地の状況に応じた速度を守って走らないと、カーブで曲がりきれずに沢に転落したり、対向車と衝突する事故が起きます。