事業の概要
安濃ダムが出来る前は、石や木の杭で造られた22ヶ所の堰から水田へ安濃川の水を引いていましたが、大雨のたびに堰が壊され修復しなければならず、堰の維持管理に多大な経費がかかり、たいへん苦労をしていました。また、旧河芸町や安濃川掛かり以外(川より高いところなど)の水田は、 約100ヶ所のため池とわずかな小河川が水源で、あとは雨の降るのを頼りとするというような現状 でした。
このため、安定的に農業用水を供給して、中勢地域の農業生産性の向上を図ることを目的に、昭和47年に国営中勢用水農業水利事業に着工、翌昭和48年には末端水路の工事を行う県営かんがい排水事業に着工し、22ヶ所の井堰を4ヶ所の頭首工(ゲート付きのコンクリートの井堰)に整理統 合すると共に、安濃ダムを建設し、管水路97㎞を敷設しました。
国営中勢用水農業水利事業は、総事業費367億円で平成3年に完成、県営かんがい排水事業は、総事業費108億円で平成15年に完成し、現在は中勢地域の約3,100ヘクタールの農地へ用水を供給しています。 また、ダム湖(錫杖湖)周辺は、皆様の憩いの場としてご利用いただけるよう平成3年から平成10年にかけて、公園や休憩施設、防護柵などを整備しました。
ダム堤体から直下流を眺めました。 |
春のダム湖畔です。 奥に見えるのが錫杖ヶ岳です。 |
正面がダム、左手に管理事務所、 左端緑の屋根の建物には集塵船 が入っています。 ※集塵船とは、ダム湖面の木屑等を 集める船のことです。 |