高校生家庭科用冊子
はじめに
食の安全・安心を確保するためには、食材の栽培や育成を行う生産者、食材を調理し加工食品を作る製造業者、食材や加工食品を販売したり料理を提供するスーパーや飲食店などの流通販売業者、そしてそれらを購入して消費する消費者、それぞれが安全・安心に配慮しなければなりません。また、例えば魚などは海や川の環境が汚染されていては安全が保てません。このように、食の安全には、農林水産業の問題から食品衛生、果ては環境問題まで幅広い要素がかかわっています。さらに安心をも確保しようとすれば、消費者や事業者(生産者・製造業者・流通販売業者)がそれぞれに信頼関係を築くことが必要です。 これらの中で食の安全・安心確保のためには、とりわけ消費者の果たす役割が重要です。消費者が安全・安心な食を選択することによって、安全・安心でない食品は売れなくなることになり、事業者はより安全・安心な食品を生産・提供しようとします。このことによって食の安全・安心確保が大きく前進します。 食に関して安全・安心な選択をするためには、消費者の皆さんも自分で努力をして、より積極的に食の安全に関心を持って学習を深め、正しい知識を身につける必要があります。 こうしたことから、近い将来社会に出て消費者となる高校生の皆さんに食の安全・安心に対する関心や理解を高めてもらうためにこの副読本を作成しました この本では、特に食品を選択する力を養うために、表示を中心とした内容で構成しました。教科書で学習する項目とあわせて食品の表示の勉強に役立ててください。 表示は食品を選択する際の重要な情報源です。しかし、表示だけでなく例えば、みずみずしさから食品の鮮度を見分ける力など、自分の感覚でより良い食品を選ぶ能力を養うことも大切です。普段から食品に関心を持って安全・安心な食について考える習慣をつけましょう。 平成16年3月 |