子供食品衛生講座
付録「手洗い実験」
グリセリンカリ液とフェノールフタレイン試薬を用いた方法 |
試薬調整方法
(1) フェノールフタレイン試薬(1%v/w) A液
フェノールフタレイン1gをエタノールに溶かし、全量100mlにする。
沈殿物が生じた場合は濾過する。
(2) グリセリンカリ液 B液
水酸化カリウム3gを少量の水に溶かす。
グリセリン200mlとエタノール250mlを加え混和し、全量1000mlになるまで水を加える。
実験方法
(1) A液(1円玉大程度)を手に垂らし塗り広げ、手全体に刷り込む。
(2) 石けんを用いて手を洗う。
(3) B液(5円玉大程度)を手に垂らし、そっと(※)手全体に塗り広げる。
※A液はごしごし擦り込んでもよいが、B液はやさしく塗り広げないと、発色してもすぐ消えてしまう。
原理
フェノールフタレイン試薬はアルカリ性で濃紅色を呈する試薬である。
手を洗うことにより、あらかじめ付着させたフェノールフタレイン試薬は洗い流されるが、洗い残しがあると次に滴下したアルカリ性のグリセリンカリ液と反応して、濃紅色を呈する。
洗い方が悪いと、フェノールフタレイン試薬の残留率が高まるため、着色する部分が広範囲にわたり、残留量に比例して発色も強くなる仕組みを利用した実験である。
汚れの残っている部分が目で見て分かる簡便な方法。
洗い方が悪かった例
<全体的に真っ赤> |
<指の間だけ発色> |