三重の木づかい人
第9回 株式会社 萩原建設 平成27年9月1日
「三重の木づかい人」第9回は、株式会社萩原建設(伊勢市)代表の萩原義雄さんにお話を伺いました。
萩原建設では、身近にある無垢の木をふんだんに使い、地元の職人の技を生かし、職人の顔が見える家づくりをされています。新しいものと伝統的な要素をバランス良く取り入れながら、住まい手が長く愛着を持って住むことができる現代の民家づくりに取り組まれています。
家づくりのコンセプトを教えてください。
お施主様に長く愛着を持って住んでもらえて、使い勝手が良く、格好もよく、飽きもこない、生活スタイルに応じて変化できる、そんな家づくりをしたいと思っています。そのため、あまり作りこみすぎないことを心がけているのですが、そうするとしっかりとした構造体が中心の家づくりになってきます。言うなれば昔の民家のようになってくるのですが、そこに新しい技術も取り入れながら、現代の民家を作っていきたいと思っています。
また、気候などの地域性に合った家づくりをすることも大切だと考えています。伊勢は温暖で雨が多いので、庇をうまく使うこと、雨仕舞を良くすることをいつも心がけています。
スギやヒノキの良さや特徴について教えてください。
スギやヒノキの良さはいろいろとありますが、自分自身は香りがポイントだと思っています。私自身、父と祖父が大工であり、毎日木に触れて育ってきたのですが、スギもヒノキもそれぞれ異なるとても良い香りがあると感じています。お施主様からもスギやヒノキを使った建物の香りに大変好評をいただいていますし、スギやヒノキの良さと言った場合には香りが重要なポイントだと思っています。
家づくりの特徴的な取組を教えてください。
スギの厚板を柱と柱の間に落とし込んで壁を作っていく板倉工法の家づくりが自社の特徴のひとつになっています。それだけにこだわっているわけではないのですが、内装に無垢の木をたくさん使うことによる住み心地の良さからか、多くのお施主様から板倉工法での家づくりを希望していただいています。板倉工法に限ったわけではありませんが、内装に無垢の木をたくさん使った住宅では、梅雨時でも気持ち良く過ごすことができますし、外に干してもなかなか乾かない洗濯物がよく乾いたりします。よく柱1本でビール瓶1本分の水分を吸ったり吐いたりしているといいますが、内装に無垢の木をたくさん使った家で生活してみると木の調湿機能の高さを実際に感じることができると思います。
株式会社萩原建設の詳細については、下記HPをご覧下さい。